近年、毎年のように巨大台風や地震によって、大きな被害にみまわれています。
強風、豪雨など天候・自然災害は避けようとして避けられるものではありません。
被災すれば早急に家屋の修繕をする必要がありますが、すぐさま手を付けることも出来ないのが現状です。
そのままに放置していると、破損部分から室内に雨が降り込んだり、湿気による傷みやカビが発生してしまいます。
本格的な復旧工事前の応急処置が「雨養生」になります。
「養生」って何?
昨今、毎年のように猛烈な台風がやってきて、豪雨、強風に我が家は大丈夫だろうかと不安になる方は少なくないでしょう。
普通の雨でも、降雨量によっては雨漏りが心配になってしまいます。そのような悪天候の予測に対して、事前に家屋を守るために行うのが「雨養生」になります。
災害が起こった時に、屋根などがブルーシートに覆われているのを目にします。
これ以上の損害に見舞われないように、被害が大きくならないようにしているのです。
雨養生で雨の浸入を防ぎ、二次災害を防ぐ】
最初の被災により雨漏りするようになった場合、降雨によって屋内に容赦なく雨が入り込み、水浸しになることが予測できます。建物の躯体だけでなく、内装、壁、床、家財道具に電化製品まで影響を及ぼします。雨の浸入を抑えるためにブルーシートで覆い、シートが飛散したり、ずれたりしないように、テープやタッカーで固定します。
雨水侵入で考えられる二次災害】
・主要構築部の腐食
・カビの発生
・雨の染み・ふくれ、クロスの剥がれ
・家財や在庫品への被害
・漏電による火災
・腐食の進行によるシロアリなど害虫発生
これらの被害を未然に防ぐために、まずは「雨養生」を行いましょう。その後の復旧工事も、出来るだけ早く行うことで、被害を少なく、二次災害を防ぐことができます。
実際にある「雨養生」の事例
応急処置はあくまでも一時的なものです。雨養生は、本格的な工事までに悪天候をしのいで、被害の拡大を抑えるためです。
雨養生の事例をあげてみましょう。
過去の地震や台風で徐々に棟が崩れて雨漏り
最初の地震で少しずれた棟を雨漏りしないから放置していたが、その後の台風、地震などで
棟の崩れもひどくなり、雨漏りが始まったので、屋根業者に雨養生してもらいました。
大きく崩れた棟を守るために、ブルーシートで覆い重しの土嚢で押さえました。
強風でパラペットのモルタルが崩れて落下
風当りか、竜巻か不明ですが、右半分のパラペットのモルタルがすべて落下し、防水紙も剥がれ、下地の木部が見えていました。ブルーシートでパラペット全体を覆い、ひもでフェンスに固定しました。
強風で屋根の一部トタンが剥がれた
屋根で一番風の影響を受けやすいのが、破風です。その周辺のトタンが一部剥がれてしまいました。ブルーシートで二重に覆い、テープで縦横に固定、雨漏りの心配がある部分は防水テープを貼り、可能な限り雨水が入らないようにしました。
台風で窯業サイディングが剥がれて落下
強風が直接当たっていたようで、サイディングは剥がれて落下、防水紙も引きちぎれて断熱材も出ている状態でした。夜間にかけての降雨予報に、暗くなってから大至急の雨養生することになりました。
緊急時でも屋根に登らない
飛来物によって屋根瓦が割れてしまい、雨が降り続いている時など、早急に雨除けの対策をしなければなりません。しかし、家主であっても、自分の家だといって、雨で滑る屋根に登ってはいけません。落ちて大怪我をする事故が後を絶ちません。たいへん危険です。
屋根の上は高さもあり、掴むところもないので、身を守ってくれる物がありません。
絶対に登らずに、屋根修理業者や雨漏り専門業者などにお願いしましょう。
プロであっても、強風や足元の安全が確保できない時は、屋根に登ることはありません。危険を冒さず、被った被害は後ほどしっかりと直していきましょう。
まとめ
地震や豪雨、台風など自然災害による家屋の破損の様子を、ニュースなどで目にします。
屋根のブルーシートは、家を守る応急処置として被せる雨除けになりますが、素人がただシートを掛けても万全な雨漏り防止対策ができていないこともあります。
一刻も早く、雨から家を守りたくて、自分でシート張りする方もおられますが、あくまでも素人の対応になってしまいます。
危険を伴う作業になり、雨の方向や雨漏りのポイントに合わせて養生しなければならないので、出来るだけ早く屋根のプロに依頼して、安全・安心な「雨養生」をしてもらいましょう。