建物は、建ててから年数が経つと経年劣化は必ず起こります。
外壁など目に見える部分から、内部の目に見えない所まで経年劣化は進みますので、定期的に点検やメンテナンスをすることで、安心して使用することが出来ます。
目に見える外壁は、常日頃から雨風や日光などを直で受けている為、劣化も進みやすいです。
地震などの揺れによっても、ひび割れや歪みが生じ、そこから雨漏りに発展してしまうということもあります。
外壁から雨が侵入してしまうと、知らぬ間に外壁の下地の痛みが進んでしまいます。
外壁の汚れや色が気になる場合、塗り替えをする前に全面的に点検をし、ひび割れや剥がれなどはないか確認することが必要です。
色が塗り替えられ綺麗になったとしても、中の下地が良い状態でなければ、見た目だけ綺麗になっただけの建物であり、中の下地が傷んでいれば建物は長持ちしません。
もしも下地に不具合があった場合は、外壁の劣化も早まりますし、また別に修繕費用がかさんでしまいます。下地が補修されていなければ建物は長持ちしませんし、タイルが貼り付けられている外壁の場合は、タイルが浮いてきたり、ひび割れなどを起こす原因となります。
外壁工事の基準として、下地補修工事はとても重要なのです。建物を長持ちさせる上に、塗装やタイル補修の際の仕上がりをものすごく左右する役割を持っていますので、下地補修無しでは工事が完了したとは言えないということです。
ここで、外壁がタイルの場合のお話をしていきたいと思います。
タイルの場合は、タイルのひび割れやタイルの浮きに加えて、タイルを接着している中の見えない部分にひび割れや劣化なども起こる可能性があります。
タイルのひび割れや浮きは、劣化が進むと落下する恐れがあり大変危険です。
雨漏りが原因で外壁タイルを補修する場合、散水調査をして雨漏りの原因を突き止めることが最も重要ですが、その補修の仕方も業者によって様々なことが多く、見た目が綺麗になり一安心かと思いきや、雨漏りが再発ということがよくあります。
外壁塗装だけでは雨漏りは止まりません。
タイルのひび割れ部分から雨漏りが生じていると考えられる場合、タイル下の下地部分にもひび割れが入っている場合が多いです。ですが、業者によってはタイルのひび割れのみを補修し、工事は完了という所も中にはあります。
それでは雨漏りは止まるはずがありません。
タイルの補修では、タイル除去Uカットシーリング工法というやり方がありますが、こちらの工法ではひび割れしているタイルを剥がし、中の下地のひび割れ部分をU字にカットしてシーリングを充填します。そして、新しいタイルを張り付けます。
きちんと下地補修をし、新たにタイルを張り変えることで値段は上がりますが、下地補修がされていなければ、再度タイルのひび割れは起こり、雨漏りはすぐに再発することになるでしょう。
タイルを張り替える場合のデメリットとしては、同じタイルが無く既存のタイルとの色の違いが出てしまうことなどがあげられます。
業者によってはタイルを塗装などで同じ色味や柄にしてくれる所もあるので、補修工事を依頼する際には事前に確認し、納得した上で契約するようにしてください。
雨漏りの原因である場所以外にも、タイルにあちこちひび割れが起きている場合は、下地の手抜き工事であったり施行不良が原因の1つである可能性もあります。
そういった場合、外壁タイルの不具合は早期に起こる可能性が高まります。
なぜ、こういったことが起こるのかというと、外壁タイルを張る場合、今までの主流では、モルタルを使用した下地を塗り、十分に乾かしタイルがくっつきやすいように下地の表面を粗免状にすることが必要となる為、まず乾かす期間というのが必要となってきます。
ですが、工期短縮の為に、十分に乾かさずにタイルを張り付けてしまったり、接着材料の進歩などにより、下地無しでタイルの張り付けを行うやり方が普及しつつあった時代があり、その頃に建てられた建物は大きな問題が残るのが現状です。
マニュアルの改定などが行なわれ、今ではそのような事がないように建てられているとは思いますが、全ての建物が安心安全とは言いきれません。
この事から、定期的に外壁診断を行うことをオススメします。点検してもらうことによって事故や不具合を未然に防ぐことができますし、早期に劣化部分を補修や改修することによって建物を長持ちさせることができます。不具合が起こってからでは、修繕工事も大掛かりになり費用も高額になってしまうこともありますので、早期に発見し、早期補修をしておくことで修繕費用を抑えることができるでしょう。
外壁がタイルの場合の調査は、雨漏りが発生するしないに関わらず定期的に行うようにしてください。その際は、信頼できる専門業者にご依頼いただくのが確実です。
知識と経験豊富かどうかは、業者を選ぶ際の大きな材料となりますので、きちんとお話を聞いた上で判断するようにしましょう。
