コーキング材とは、外壁材の劣化や雨漏りを防ぐために、弾性のある補修材を外壁材の隙間に充填することであり、とても必要な工程の1つです。
外壁の継ぎ目にコーキング剤を詰めて、水漏れを防ぐ役目をすると言う方が分かりやすいかと思います。
外壁にコーキングをしておくことで、住宅の横揺れによる外壁材のずれやひび割れを防ぐことができ、防水性もあるため、雨漏りも防げるのです。
ですが、1度のコーキングの寿命は、約10年と言われているので、10年目には補修作業が必要ということになります。
ただ10年というのは、それまで何もなかった場合に10年ということですので、それまでに、ひび割れなどが起きた場合は、補修した方が安全です。
では、何故ひび割れが起きるのでしょうか。
コーキングは、紫外線や雨により劣化し、その劣化により、弾力性が無くなりひび割れを起こします。
コーキングには、可塑剤というものが含まれており、それによって柔軟性が保たれています。
ですが、その可塑剤が紫外線によってしだいに失われてしまい、柔軟性が無くなりひび割れが起きてしまいます。
ひび割れが起きた場合、放置するとひどくなり破断してしまうので、放置は禁物です。
また、元々の施工不良により、コーキングの厚み不足で劣化の進みが速くなり、ひび割れしてしまうことがあります。
この場合、建物内部へ雨水が浸入してしまうリスクが高いので、早急に補修する必要があります。
コーキング材は、成分により2つに分かれ、そこから固まり方によってそれぞれの硬化型に分かれ、さらに弾性のあるゴム状になるまでの過程によって種類が分かれます。
一成分型から湿気硬化型、乾燥硬化型、非硬化型に分かれ、二成分型から混合反応硬化型に分かれ、そこからさらに細かく分かれるということです。
湿気硬化型は、空気中の成分と反応して固まります。
乾燥硬化型は、乾燥により固まるタイプです。
非硬化型は、表面に酸化皮膜を形成するタイプで、 内部は固まりません。
混合反応硬化型は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせるタイプで、2つの化学反応によって固まります。
最終的に分かれる種類で、主に使用される物はこちらです。
アクリル系コーキング剤
水性のエマルジョンタイプとなります。
取り扱いが簡単ではありますが、肉やせと言って厚みが減ります。耐用年数は10年となります。
ポリウレタン系コーキング剤
柔軟性や防水性が高く、耐久性は高いですが、耐候性がよくないので、屋外で使用する場合は上からの塗装が必要となります。耐用年数は5〜10年と短めです。
シリコーン系コーキング剤
シリコンはコーキング材で一番使用されており、耐久性や耐熱性、耐水性にも優れています。カラーも豊富であり、安価な為、使用される事が多いです。
上からの塗装は不可であり、耐用年数は10年ほどです。
変性シリコーン系コーキング剤
耐候性や耐久性も良く、硬化後はシリコーン系と違い重ね塗りもできる優秀な材料です。
高くはなりますが、
耐用年数は10〜15年と、シリコーン系より長めです。
外壁のコーキング補修には、打ち増しという方法と、打ち替えという方法があります。
打ち増しとは、元々詰めてあるコーキングの上からコーキング材を充填する方法です。
既存のコーキング材の劣化の状態がひどい場合は、この方法は行えません。コーキングを取り除く際に、中の防水シートなどを傷つける可能性があり、コーキングの劣化が少ない場合などに行います。コーキングを取り除く必要がないため、作業工程が少なく、費用も抑えられますが、耐久性に問題が生じる可能性が高くなります。
打ち替えとは、古いコーキング材を取り除き、新しくコーキング材を充填する方法です。
既存のコーキング材をできるだけ全て撤去し、
新たにコーキングし直すため、耐久性が上がります。撤去する手間と時間もかかる為、その分費用はかかりますが、打ち増しと比べると耐久性はかなり高いです。
打ち増しの方法で行う場合は、コーキングの劣化が少なく、コーキングの厚みを10mm以上確保できないと耐久性を保てないので、その事を考えると打ち替えの方法で行う方が安心です。
打ち替えは費用は増しますが、打ち増しで安く済んだとしても、耐久性が低ければ、すぐに補修作業が必要となり、また費用がかかることになるので、補修は打ち替えで施行するのが良いです。
外壁のコーキング補修は、場所によっては高所作業のこともあるため、業者に依頼するようにしましょう。
外壁のコーキングは、劣化や雨漏りを防ぐための大切な工程ですので、目安の10年という節目には、メンテナンスなどをしてもらうと安心だと思います。
その際は、優良業者に依頼し、くれぐれも悪徳業者には気をつけてください。
コーキングに、ひび割れやポロポロと剥がれていたり、欠けているのを見つけた場合は、放置せず専門の業者に見てもらいましょう。