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線状降水帯とは

線状降水帯(せんじょうこうすいたい)は、次々と発生する発達した雨雲である積乱雲が、線状に長さ50 - 300 km程度、幅20 - 50 km程度の強い降水をともなう雨域列をなして、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞する現象であり、わかりやすく言うと、線のように雨雲が連なっている様子のことを指します。

この連続した雨雲により、非常に激しい雨が特定の地域に長時間連続して降り続けます。
とある所で積乱雲ができると、風で場所を移動しながら新しい積乱雲が次から次へと発生し、積乱雲が線状に連なります。線状降水帯による雨は、雨雲が途切れないため激しい雨を降らせます。
現状、なぜ線状降水帯が発生するのか、その条件など様々な研究が続けられていますが、発生するのを事前に予測することは今のところ難しいようです。2022年8月の初め頃に青森県と秋田県に加えて新潟県と山形県で線状降水帯が発生し、24時間降水量が200ミリを超えている地点がありました。1ヶ月で降る雨の量が、たった数時間で降ってしまうので数々の被害が出てしまい、警戒レベル5である大雨特別警報や土砂災害警戒情報が発令され、記録的大雨となったのです。最上川が氾濫し山が崩れ、住宅倒壊や冠水、土砂や流木がさらに建物を押し潰し、道を塞ぎ大変な被害となりました。予測できない線状降水帯により、床上床下浸水などが起これば建物の被害は免れることができません。そして、線状降水帯は南下していき、北陸地方や東海地方にも大雨を降らせ、さらに被害が拡大しました。山や川、海の近くに住む方たちは、日頃から避難することを考えて御家族で話し合う機会が必要だと思います。また、住宅の点検をしていなかったり、気になる箇所などがある場合、今日明日に大雨が降るからといって直ぐに点検や修理ができるわけではありません。大雨により雨漏りが発生したり、住宅に何らかの被害が起こる可能性があるので、定期的に点検やメンテナンスをすることが必要です。
天気予報で線状降水帯が発生しているという発表があった場合は、降り始めから数時間にわたって激しい大雨になる可能性があるため、そこから外出して食料などを調達するなどするのは、大変危険なことです。停電や断水が起こる可能性もあるため、防災に対する知識や意識を高めることは本当に必要です。
災害時は避難指示などが出される場合がありますが、避難指示だけに頼らず、御自身で判断して身を守ることも必要です。海沿いや川沿いには近づかないこと、外出は避けること、避難場所や避難経路をきちんと確認し、災害に備えた行動を取るようにしてください。

台風によるものではなく、過去に起きた集中豪雨の約3分の2は線状降水帯によるものだということがわかっています。

しかし、線状降水帯という言葉を耳にするようになったのはごく最近のように感じると思います。線状降水帯は2014年の広島県での大雨から注目されるようになり、気象庁では、線状降水帯についての予報は2021年から発表しているので、あまり聞くことがなかったのだと思います。現在、新しく開発された線状降水帯の自動検出技術が気象庁の予報に活用されており、発生予測を今よりもさらに高い精度で発見するための研究も行われています。地球情報分析基盤技術により、これまで観測が難しかった海上や海中、山中などに配置することで衛星を利用し、情報を収集します。技術の発達により、これまで観測できなかったリアルタイムな情報から高精度な予測ができるのではないかと期待が持たれています。

過去の集中豪雨の中で、線状降水帯が原因であった割合は、北日本が43.9%であり、東日本では50.0%、西日本では73.8%、南日本では89.6%と南方へ行くほど増加しているのがわかっています。

ですが、発生しやすい割合に関わらず、日本全国どこに住んでいても防災意識はとても大切だということです。
線状降水帯による大雨が続き、恐ろしいのは夜に被害が起きることです。気付いた時にはすでに周囲が冠水している場合などがあります。その場合は建物の2階以上に移動するなど、少しでも安全な場所で過ごすようにしましょう。命に危険が及ぶ場合もありますので、安易に外の様子を見に行くなどの行動をとることはやめてください。
ゲリラ豪雨という言葉をよく耳にすると思いますが、激しい被害をもたらす集中豪雨の現象は、過去にはなかなか見られませんでした。地球温暖化が進み、気象条件が変化してきている現代だからこそ、予想外に起きうる雨の現象なのかも知れません。
線状降水帯による積乱雲は、次々に発生するのでとても厄介です。2030年には高い確率で予測できると言われていますが、日本中でたくさんの被害が起きてしまう前に何か対策ができればいいのではないかと思います。住宅の状況や防災に関して改めて考えましょう。

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