ドーマーとは何かご存知でしょうか?
聞いた事がある方もみえると思いますが、ほとんどの方が、何のことを指しているのかわからないのではないかと思います。
もしかしたらご自宅にドーマーがあるかもしれません。そんなドーマーについて詳しく見ていきたいと思います。
ドーマーとは、屋根から突き出すような形で設置されている小さな三角屋根の屋根窓のことを指しています。
普通のフラットな屋根よりもお洒落な外観に見え、洋風を好む方には魅力的に感じられるでしょう。
そもそもドーマーは、ヨーロッパでは伝統的なものであり、ドーマーがあることでお洒落で個性的な街並みを演出しています。
ドーマーは、英語のdormerからきており、屋根窓という意味になります。外観にこだわりがある方や、ヨーロッパ風の外観が好みなど、見た目を重視してドーマーを取り付ける方もおられると思いますが、外観が良くなるだけでなく、住宅にとってのメリットを考えて取り付ける方も多いです。
ドーマーを取り付けるメリットは、まず屋根から日の光を取り入れることができることです。
住宅の中で1番太陽の光を浴びる所は屋根にあたると思いますが、その光を直接取り入れることができるので、吹き抜けがあるお宅であれば、天井をなくすことでドーマーからの日の光により一気に明るくなるでしょう。
日当たりが悪い場所に建っている場合でも、ドーマーを利用すれば明るさを手に入れることができます。
暗い室内よりも明るい室内の方が気持ちも明るくなりますし、太陽の光を感じることはとても良いことです。
また、屋根裏を利用したいとお考えの方にもドーマーは有効的で、屋根裏となると暗く湿気がこもるイメージがあると思いますが、明るくなる上に湿気の解消にも繋がり、カビ対策にもなるでしょう。
開閉式のドーマーであれば、風通しもよくなり空気の入れ替えも可能となります。形は違いますが、屋根に沿って取り付ける天窓も同じような効能があると言えます。
このように大きなメリットのあるドーマーですが、最大のデメリットとなることがあります。
それは、雨漏りの原因になりやすいということです。
建物にとって、建材と建材の繋ぎ目となる部分である取り合いは、隙間を完全になくすために、業者の方も特に力を入れている部分だと思いますが、日々の紫外線や雨風、台風などの自然災害の影響などにより経年劣化は必ず起こってしまいます。
施工不良による雨漏りの可能性もゼロではありませんが、ドーマーは繋ぎ目も多いため慎重に丁寧に施工すること、また施工業者の方の経験も大きく左右するものとなります。
取り合いの他に雨漏りの原因となる箇所については、ドーマーの屋根の種類や形状にもよりますが、板金でカバーされている屋根のトップ部分である棟です。
固定している釘が浮いてくると隙間ができてしまうため、そこから雨水が浸入してしまう恐れがあります。ですが、下地には防水処理がきちんと施されているためすぐに雨漏りが発生するわけではありませんが、経年劣化により釘が浮いた場合は、下地も同じように劣化している可能性がありますので注意が必要です。
棟というのは、建物の最も高いところに位置しているため、紫外線や雨風の影響を避けることはできません。
そのためしっかりと施工が行われているはずですが、メンテナンスは必要不可欠な場所となります。
釘が浮くだけではなく、棟の板金が剥がれてしまうと大変危険ですので、築年数の経過や何らかの異変に気付いた際は、早急に専門の業者にみてもらうようにしましょう。
板金は、本来の屋根とドーマーの屋根の接合部分にも使用されており、こちらは棟部分と違い谷のような形状で取り付けられているため、雨水が多く流れる通り道となります。
雨の影響により劣化すると、サビや歪みが生じてきます。劣化症状が酷くなった場合、穴が開いてしまえば雨水は浸入しますので、下地の劣化にも影響を与えることになります。
そしてドーマーと言えば窓です。
通常の住宅の窓と同じように、サッシまわりは紫外線や雨風の影響を受けやすい場所となります。
屋根の上となると尚更受ける影響は大きくなるため、通常の窓よりも注意が必要となります。
窓には左右に開閉するタイプ以外に、ルーバー窓またはジャロジー窓と呼ばれるジャバラのような形状の窓がありますが、ドーマーに使用するのは避けた方がよさそうです。
サッシまわりというよりガラスとガラスの間の密着性が低く、雨風による影響で隙間ができてしまうと、雨水が浸入してしまいます。雨漏りというより、直接雨水が室内に入りかねないので、あまり使用しない方がいいでしょう。