皆さんの住宅には、雨戸の設置はされているでしょうか?
雨戸には、普段使用しないときのために、雨戸を収納しておく戸袋というものも一緒に設置されていることが多いですが、築年数の長い家の場合、戸袋の裏側には防水処理がされていないことがあります。この部分が雨水にさらされ続けるとどうなるでしょうか。
防水処理がされていないということは、劣化が進めば水を通してしまいやすいということになり、雨漏りへと繋がってしまいます。
戸袋が原因で雨漏りが発生した場合、室内のどの部分に影響が出るのかというと、1階の天井部分に染み出してくることが多いです。
雨漏りの原因が戸袋とわかれば、早期に修繕し解決しなければなりません。
解決方法としては、戸袋に防水処理を施す方法や、雨戸を取り外しシャッターなどに交換する方法があります。
いずれにせよ費用はかかりますが、機能性や外観などを考えた上で工事を行う必要がでてきます。雨戸の役割をきちんと理解した上で、戸袋の防水性を高めるのか、雨戸自体をやめるのか考えましょう。
まずは、雨戸の役割をきちんと確認しましょう。
雨戸が作られたのはいつなのかというと、それは安土桃山時代まで遡ります。
元々は、現代のようなガラス窓になる前は、障子の戸で外と室内は仕切られていました。
ですが、障子では雨風は防げないため、雨戸というものが考えられたのです。
雨戸はとても重要な役割を果たすため、住宅に取り付けられるのは当たり前でしたが、ガラス窓の登場から発展して、現代では雨戸を取り付けていない住宅も増えています。ですが、ガラス窓がどんどん進化をし、割れにくく強化されたとしても、自然災害である台風や豪雨のときのような強烈な雨風は、どんな威力を持っているのかわかりません。そこに雨戸があれば、万が一ガラス窓が割れるかもしれないという不安も取り除けます。
台風のときは、雨風の音も気になるものですが、特に就寝時など、雨戸を閉めることで高い遮音効果が得られるでしょう。
現在では防火性能の高い雨戸も出ているため、隣家で火災が起きた際も、外からの炎でガラス窓が割れるのを防ぐことが可能となります。
また、防犯効果にも期待が持てます。空き巣の心理はわかりませんが、雨戸が閉まっている家であれば、わざわざ雨戸をこじ開けてまで空き巣に入ろうと思うでしょうか?雨戸を開けてもさらに窓があるので他の侵入経路を探すか避けるでしょう。雨戸がなければ窓のみとなるので、空き巣にとっては狙いやすい家となってしまう可能性も考えられます。
雨戸があるだけでも防犯効果の高い住宅となるでしょう。
雨戸には種類も色々あり、古くから使用されている戸袋があるものは、基本的に引き戸になっており、使用する際は戸袋から1枚ずつ取り出し並べて閉めるような形になります。
重さがあるため開け閉めがしにくいという負担がありますが、費用を抑えて雨戸を取り付けたい方にはオススメです。
引き戸のような横ではなく、縦型のシャッタータイプのものもあります。上から引っ張る形で閉める手動のものや、自動で開け閉めができるものもあるためとても便利です。時代が進むにつれて雨戸も進化し、雨戸を閉めたあとでも換気が可能なものや、折りたためる雨戸など、デザイン性や機能性に優れたものが登場しています。
雨戸は、お住まいの家のどの部分に取り付けるかによって大きさも変わるので、かかる金額も様々です。
種類も色々ありますので、雨戸の効果やデザイン性などご自宅に合うものから予算と相談して決める必要があるでしょう。
どんな雨戸でも取り付けて終わりではなく、長持ちさせるにはやはり定期的な清掃を行うことが大切です。特に昔ながらの戸袋がある雨戸の場合は、隙間からスズメなどの鳥が入り、気付いたときには卵から雛が生まれていたということもなくはありません。
定期的に清掃することで、そういったことを防げる上に、ゴミやホコリなども取り除けますので、キレイな状態で長持ちさせることができるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
メンテナンス費用などがかかることを懸念して、雨戸の取り付けは考えていなかった方も、雨戸を取り付ける必要性を感じられたのではないでしょうか?
雨戸は後付けで取り付けることも可能ですが、取り付けられる種類は限られてくるでしょう。これから戸建てを購入する予定のある方は、希望の雨戸が取り付けられるように事前に専門家に相談するようにしましょう。また、雨戸や戸袋のメンテナンスですが、屋根や外壁の塗装の塗り替えを行う際に、一緒に塗り替えをしてもらうことをオススメします。
見た目が綺麗になるだけでなく、塗装により雨や紫外線からの劣化を防いでくれる効果があるので長持ちに繋がります。メンテナンスを行っていない雨戸は、経年劣化や汚れなどで美観を損なう上に本来の効果が発揮できなくなることもあるのでメンテナンスは大切です。興味があれば是非とも検討してみてください。