日本は世界の中でもとても雨の多い国です。
雨と言えば梅雨や台風が頭に浮かぶ人も多いと思いますが、梅雨や台風に限らず日本での雨は年中降っている印象があります。
雨でも通常の雨であれば問題ないことがほとんどですが、大雨となると話は違ってきます。ここ近年の日本では、大雨の中でも短時間に集中して降る集中豪雨による被害が多数発生しており、ある一定の狭い範囲で起こることが多くなっています。少しの地域の違いで天候がガラッと変わり、特に車などで移動していると、さっきまでは晴れていたのに急に大雨が降ってくるなど、予想していなかった天候の変化により災難に巻き込まれる危険性も出てきます。山や川などにお出かけの際に、大雨に見舞われた場合はただちに安全な場所に避難することが必要です。
川の近くで遊んでいる場合は、今いる場所がたとえ何の変化もないとしても、上流で大雨が降っていた場合、降った大雨が下流にものすごい洪水を及ぼす危険性があるのです。
大雨による水害が起きた際に、ニュースなどでも色んな言葉を耳にすると思いますが、河川の氾濫・越水・洪水・浸水について詳しく見ていきましょう。
まず、大雨が降った場合は川の水量が増えるわけですが、増えすぎた川の水が溢れてしまうことを氾濫といいます。堤防などがあると、氾濫した川の水が堤防を越えて溢れ出る場合、これを越水といいます。
そして洪水は、川から溢れ出た水が土地を浸すことを表していますが、氾濫しただけではなく、それ以上の被害を表すときに使われる言葉であり、氾濫した水が堤防を越えていなくても、溢れ出ている水が大幅に多い場合も洪水という言葉が使われます。浸水は、住宅や建物が水に浸かってしまうことを表しており、何cmくらい床上浸水したのかなど、ニュースの言葉でよく出てきます。今までたくさん耳にしてきた言葉であっても、どんな状態を表しているのかまでは、なかなか説明するのは日本語の難しいところです。
大雨が降ったときなど、被害が予想されるときは大雨警報や洪水警報が発令されることがありますが、それぞれ発令される理由が異なります。
大雨警報は、河川の氾濫や洪水、浸水などの被害が起こるような大雨が降るときに発令されます。洪水警報も似たように河川の増水や氾濫、越水や堤防の決壊などが予測されるときに発令されますが、大雨警報と違うところは、大雨が降っていない場所でも発令される可能性があるということです。川の上流で大雨が降ったり、雪解け水により一気に増水し氾濫する恐れがある場合にも発令されることがあります。
氾濫は氾濫でも、状態によって呼び名が外水氾濫と内水氾濫にわかれます。
外水氾濫は、堤防が決壊して川の水が街へ流れ込み、浸水などの被害を及ぼす恐れがあります。内水氾濫は、マンホールや排水溝から水が溢れでて、ひどい場合は浸水へ繋がる恐れもあります。気をつけなければならないのは、川の近くに自宅や職場がある場合、堤防が強化されていなければ、川の水の増水の勢いが強ければ洪水へ繋がるリスクが高いということです。土地が低い場合は特に浸水する可能性は高いので、不用意に外出せず2階など少しでも高いところへ避難することが大切です。
車での外出なら安全だろうと思いがちですが、河川の水が勢いよく溢れ洪水が起きた場合、水の流れに巻き込まれれば車が水に浸かるのはあっという間です。
水の圧力で車の扉は開かなくなり命を落とす危険性さえもあります。お住まいの地域のハザードマップを確認し、万が一のときに備えて安全な行動がとれるよう準備しておくことが重要です。愛知県では、東海豪雨という大変大きな災害がありました。それを機に、市町村による洪水ハザードマップの作成が行われています。
浸水リスクはどの程度あるのか、浸水予想図というものが作られ、水防法指定区間で指定されている川からの氾濫以外の川からの氾濫も含まれた予想図になっているため、より大きな被害があった場合を想定できるでしょう。
日本では、年間を通して多くの雨が降ります。
梅雨や台風、低気圧などの前線による長雨や豪雨などによって水害も多く発生するため、自分自身や家族がいる場所の水害リスクを把握しておくことはとても大切です。
万が一氾濫が起きた場合のことを想定して、家を建てる際に床下が高くなるように建てておくと安心です。
特に危険な地域に戸建てを建てる予定のある方は、想定氾濫水位よりも必ず高く建てることが望ましいでしょう。
場所によって、水害の起こり方や被害の大きさは異なり、想定される被害も様々ですが、実際のところ、いつどこでどんな水害が起こるのかわからないのが自然災害の怖いところです。河川の氾濫については、大雨が降れば危険レベルをテレビやニュースでその都度頻繁に知らせています。現在の状況をいち早く知ることで、正しい行動をとるように心がけましょう。