ご自宅の屋根に雪止めの設置はされていますか?
そもそも雪止めとは何かご存知ない方も多いかもしれません。また、雪止めを設置するかお悩みの方も改めて詳しく知ることで、考える参考にしてください。
雪止めとは、屋根に雪が多く積もった場合に、大量の雪が一気に落ちるのを防ぐために設置する部材のことです。落雪によって、実際様々なトラブルが起きており、雪止めを設置することでトラブルを未然に防ぐことが可能となります。
雪止めの設置は、取り付けたい人だけが付ければいいのではないかと思いがちですが、民法218条で制定されており、隣家の土地に雨水を流さないようにしなければならないと記されていることから、落雪を防ぐために設置は必要となります。
住んでいる地域が、滅多に大雪が降ることがない場合ですと、関係ないと思うかもしれませんが、逆に積雪量が多い地域では雪止めの設置は必要ではありません。
積雪量が多ければ、雪が落ちるのを待つ前に雪下ろしをしなければならないほどの積雪量であることから、雪止めを設置すると雪下ろしの邪魔になってしまいます。
ではなぜ滅多に大雪が降らない地域では雪止めが必要なのかと言うと、それは落雪による自宅への被害を防ぐこと、隣家への被害を防ぐこと、通行人への被害を防ぐことなどが理由としてあげられます。それぞれどんな問題が起こるのか、実際に起こり得る被害を見ていきたいと思います。
雪止めを設置していない場合、屋根に積もった雪は、重みにより屋根の傾斜に沿って下へ落ちていきます。
少しの積雪量であれば、屋根の上で溶け水になり雨樋を伝って流れますが、雪の量が多い場合、大量の雪が一気に落ちることがあります。
降り積もった雪は、時間が経てば降った当初より重みを増していきます。雪が凍れば約7倍の重さの違いがあるため、その重みを増した雪の塊が一気に落ちたらどうなるでしょうか。
まず雨樋が破損する可能性が高くなります。雨樋が破損すれば、雪解け水が本来であれば雨樋を伝って適切に流れるはずが、屋根から直接地面にボタボタ堕ちたり、外壁を伝って流れ落ちるなど、適切に処理できなくなることで雨漏りへと繋がる恐れも出てきます。雨樋の破損は二次災害へと繋がるため、雪止めで守ることが必要となります。
雨樋の他に、重みのある落雪により破損するものは、自宅の庭に置いてある物や駐車場の屋根など、予期せぬ被害が起こる可能性があります。
集合住宅などでよく見られるのが、ひとつの土地に対してギリギリで住宅が建っており、ほとんど庭がなく、隣接する住宅と住宅の距離が近いことです。
距離が近ければ、自宅の屋根の雪が落ちた場合、自宅ではなく隣の家の庭に落ちるかもしれません。落ちた雪によって、何か破損してしまうことがあれば間違いなくトラブルへと発展してしまうでしょう。
逆に隣の家の屋根の雪が、自宅の庭にドッサリ落ちていたり、外壁などに何かしらの影響を与えることがあれば、隣同士だからこそ伝えるべき事ですが、言い難いということもあるでしょう。
トラブルなく安心して住みやすい環境を作るには、民法で制定されていることを知り、それぞれモラルを守ることが大切です。落雪は物を破損するだけではなく、人に被害を与えてしまう場合もあります。
道を通行していた人の上に雪が落ち、亡くなってしまったという事例があり、そこには雪止めが設置されていませんでした。
故意にやったわけではない、いつ起こる可能性があるかわからないことだからこそ、未然に防ぐ必要があるのです。他人ではなく、御自身が被害に遭う可能性も有り得ます。庭にいる時に落雪があれば、重みによりどうすることもできない状態や、大怪我に繋がる恐れもあります。雪止めを設置しなくてはいけない理由は、このように全ての被害を未然に防ぐためです。
雪止めには様々な種類があります。
主に金具・瓦・アングル型・金網型など屋根の形状や屋根材に合わせて選択します。金具タイプは、屋根材と屋根材の間に差し込んで設置します。
形状は、L字型や扇形、羽根型などがあり、スレート屋根、瓦屋根、金属屋根に後付け可能となります。
種類により雪止めの効果は異なりますが、金具や瓦タイプは雪の重さを分散させる為には、金具と金具の間に隙間を作る千鳥配置にしますが、隙間ができることから、完全に落雪を防ぐのは難しいところがあります。
その点アングル型は、長い棒状の物を横に設置するため隙間ができず、金具より落雪防止効果は高いです。金網型は、太陽光パネルを設置されている屋根に多く使用されており、網の部分が樹脂でできたネットタイプもあります。高さがある分、落雪防止効果は非常に高くなります。
設置をお考えの方は、費用の面も含め、どの種類が自宅に合うのか、専門の業者に相談することをオススメいたします。
施工不良などが起こらないよう、経験豊富な優良業者を見つけることがとても重要です。