普段、虹の色をじっくり見ることはありますか?
虹と言えばレインボーカラーですが、7色全て言うのはなかなか難しいのではないでしょうか。
一般的に虹の色は、外側から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫となっています。音読みや訓読み、ローマ字にして語呂合わせで覚えたり、覚え方には色々あると思いますが、では、なぜこの色の順番に見えるのでしょう。
これは、太陽の光が地上に届く順番です。人の目には、見える光と見えない光がありますが、光の長さが一番長い部分が私たち人間には赤に見えているのです。
光の長さにより色の変化が現れ、7色の虹に見えています。虹は、太陽の光が直接届いて見えているわけではなく、空気中に含まれる水滴に太陽の光が屈折して入り、反射をしてさらに屈折することにより発生する現象です。
光には多くの色の情報が含まれており、色によって屈折する方向もバラバラなため、色がずれて層となって虹として見えるようになっています。それぞれの色は、常に同じ屈折の仕方をします。
そのため、どこで虹を見たとしても同じ色の重なり方の7色の虹が見えるのです。この色の層をスペクトルと呼びます。そして光をスペクトルに分けることを分光(ぶんこう)といい、私たち人間の目に見えている光のことを可視光線(かしこうせん)といいます。
私たちが知る虹の形は、地面から地面に描いてあるようなアーチ型だと思いますが、Uの形のような逆のアーチ型や円を描いたような丸い形が見られるようなこともあります。
また稀に二重になった虹が現れることもあり、これを副虹(ふくこう)と言います。このように、アーチ型以外にも不思議な形で姿を現す虹ですが、虹と言えば雨上がりのイメージが強いと思いますが、晴れた日の遠くの空に虹が見えていたという経験はありませんか?遠くの空というのがポイントで、今いる場所は雨は降っていなくても、虹が現れている遠くの空では雨が降っていた可能性が大きいのです。
このことから考えられるのが、雨雲は移動するため、近づいてくる可能性もあるということです。虹が見えた際は、方角や風向きなどから天気を予測することも可能です。
突然の雨に打たれないように、虹が見えたときには空模様を気にすると良いかもしれません。
私たち日本人には、虹と言えば7色ですが、実は世界では2〜8色と色の捉え方は国によって様々です。同じ日本でも、沖縄の方では2色といった所も多いようです。
実際に虹を見ると、色はぼんやりわかれているため、人によって見え方は様々で色の捉え方もそれぞれ違うので、表現の仕方も変わってくるのでしょう。雨の日は気分が下がったり、濡れるので嫌だなと思いがちですが、雨上がりのカラフルな虹を見ると晴れ晴れとした気分になるのではないでしょうか。
また、虹色に染まる雲、彩雲をご存知でしょうか?
雲が虹色に彩られる現象で、昔から見た人には良いことがあると言われています。あまり見られない現象かと思いきや、季節に関係なく多く見られる現象でもあります。
発生する原因は、虹の仕組みとは少し異なり、太陽の光の回折によるものです。雲は、水や氷の粒が集まってできているため、水の粒に光が回り込みます。
粒の大きさによって、回り込む角度が違うので、虹のように色の見え方が異なるというわけです。太陽を直接見るのはよくないので、太陽の近くにうろこ雲やひつじ雲がある場合、その雲の端の方を太陽に注意しながら見てみてください。
虹のようにカラフルな彩雲に出会えると、気分が上がることでしょう。
虹のレインボーカラーは、空だけに起こる現象ではなく、晴れた日に虹を作り出すこともできます。
太陽に背を向け、ホースやジョウロで水を撒いたり、霧吹きで水を出してみると虹が発生します。室内でも可能で、ライトと水の入った容器、光を反射させるための鏡や光を映すための台紙などを用意すれば、虹を見ることができるでしょう。お子さまの自由研究の題材や実験として、一緒に取り組むのもオススメです。
虹にはいくつかことわざもあります。
・朝虹は雨夕虹は晴れ
朝に虹が出るとその日は雨であり、夕方に虹が出ると次の日は晴れになるという意味です。
・白虹日を貫く
臣下(しんか)が君主(くんしゅ)に対して反乱を起こす兆しを表しており、つまり、白い虹を武器、太陽は君主である支配者とされ、白い虹が太陽を貫くようにかかることから、支配者が貫かれている事を表しています。
戦国の時代、天気からさまざまな事柄を予知していた者が、君主に訪れる不吉を予兆したのが始まりのようです。
・朝虹に川超すな
日本の天気は西から東に移り変わることが多いため、太陽の逆に現れる朝虹は西に出ていることから、雨が降り出すから川を超えてまで遠出をしないようにという意味です。
ハワイには素敵なことわざの一つに、No Rain, No Rainbowという言葉があります。
雨が降らなければ、虹は出ないという意味になり、辛いことや悲しいことのあとには、幸せになれる良いことがあるという意味です。
虹の象徴である幸せや良いことは、世界共通でとても素敵ですね。