梅雨に入ると雨が降ったりやんだりを繰り返し、時には晴れ間も多く見られますが、そろそろ梅雨も終わりに近づいている頃になると、局地的な大雨が発生しやすくなります。
風の強い大雨や雷を伴う大雨など、災害級の局地的な大雨は油断できないので注意が必要です。原因は様々な要因が組み合わさることもあり、それがさらに激しい雨へと発展させている可能性があります。そんな局地的大雨ですが、皆さんがよく耳にするゲリラ豪雨という言葉があると思いますが、違いは何なのでしょうか。
実は、意味は同じなのですが、気象用語では局地的大雨という言葉が使用されていますが、ゲリラ豪雨は、局地的に短時間に激しく降る雨を、軍事隊に見立てて使用されるようになった造語であり、気象用語ではないのです。局地的大雨は、急に強く降り、数十分の短い時間で狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨という定義があります。
集中豪雨と間違いやすいですが、別物となります。
集中豪雨は同じ場所で積乱雲が次々と発生し、何時間にもわたって激しい雨を降らせるのに対して、局地的大雨は、1つの積乱雲が発達し急な天候の変化をもたらします。予測が難しく、突然激しい雨が降ることから、短時間で河川が増水したりするなどの災害級の雨を降らせます。
局地的大雨の特徴として、都市部に多く発生しやすくなっている傾向にあります。
それは何故かというと、ビルが建ち並ぶオフィス街や工場、住宅地が密集している場所では、多くのエネルギーが使用されており、それらの熱によって周辺の気温が高くなることが考えられます。熱が上がれば、強い上昇気流により積乱雲の発達に大きな影響を与える可能性があります。
夏場であれば、ほとんどの建物でエアコンが使用されており、車通りが激しい所では、そのぶん多くのエネルギーが放出されているということになります。
また、ビルのコンクリートやアスファルトが太陽の熱によって温度が上昇するため、気温の上昇に影響が出てしまいます。まさしくヒートアイランド現象が、問題だということがわかります。
ヒートアイランド現象を抑えるためには、樹木の植樹や都市部の見直しなど、それぞれの地域ごとに解決するための取り組みがとても重要となります。
地球温暖化もますます深刻な問題となる中で、ヒートアイランド現象もさらに悪化する傾向になると予想されています。
局地的大雨は、事前に予測することが難しいですが、発生する直前には前兆があり、急にどんよりとした雲が多くなり暗くなってきた時などは、これから急な雷雨が起こる可能性があることを予測して行動する必要があります。雷が鳴りだした場合、外出中であれば早急に安全な場所に移動することが大切です。大気中に蓄積された電荷が放電することによって発生している雷は、止める方法は残念ながらないので、自ら危険を察知して安全な行動をとるほかないのです。室内にいる場合であっても、窓やドアを閉め、感電する恐れのある電化製品や金属類などからは離れるようにしましょう。
雷は、命の危険を伴うものですので、むやみに外に出ないよう注意することが大切です。
局地的大雨に限らず、毎年日本の至るところで大雨による被害は出ています。
それも年々ひどくなっている大雨に対して、私たちがすべきことは何なのか、改めて考える必要性があるのではないでしょうか。防災グッズを準備しておくのは勿論ですが、地球温暖化を食い止めるためにできることはたくさんあるはずです。
空から雨が降る仕組みは、空気中の水蒸気が上空で冷やされることによって水や氷の粒になり、その塊が雲となり、そして雲の粒が大きくなり落下したものが雨や雪となります。気温が高くなれば、それだけ空気中に含むことのできる水蒸気の量が増えるため、そのぶん雨の量もどんどん増えるわけです。外を歩くと危険なほどの強い雨がこの先も続くとなると、家族の安否も常に心配になってしまいます。
毎日の天気予報などで情報収集することで、天候の変化に対応できるように日々心がけておくこともとても大切なことです。
雨に関する呼び名は、局地的大雨以外にもたくさん存在しますが、地球温暖化の影響により、局地的大雨やゲリラ豪雨、集中豪雨や線状降水帯など、この先ますます耳にすることが多くなると予想されます。自然現象である大雨を今すぐ止める方法はないため、局地的大雨などが発生した場合は、危険な場所には近付かず、安全な場所に避難すること、車に乗っている場合は、アンダーパスに十分注意することが必要です。また、大雨の影響で住宅の経年劣化が早期に進むことも予想されるため、点検やメンテナンスはしっかりと行っておくことも大切です。
大雨の後に何かしらの不具合が見られる場合は、専門の業者にきちんと見てもらいましょう。地球温暖化の問題は、他人事ではなく、小さなことでもできることに取り組むことがとても必要です。