雨の日であっても雨樋を意識する人は少ないでしょうが、雨水がスムーズに流れていれば、全く問題の無いことです。しかし、台風や雹の影響で破損したり、長い間放置していたために詰まって雨水が溢れてしまうと、雨樋の存在が急に気になってしましますね。
雨樋は、屋根に打ち付ける雨をスムーズに排出して、雨の被害から家を守る大事な設備です。
屋根にくっついてぐるりと家を囲み、雨天に大活躍の「雨樋」について、詰まってしまったらこまるな~と、再認識していきましょう。
雨樋の役割と詰まる原因
普段は雨樋に関係の無い生活を送っていますが、豪雨事や台風がやってくるとその有難みを感じることになります。
屋根に降った雨を地上に誘導・放出するのが、雨樋の役目になりますが、予測以上の雨に見舞われたり、強風を伴った降雨時には、樋全体から滝のように落ちてしまいます。
スムーズに雨を流す許容量を超えた豪雨が、近年多くなっています。雨樋が常にきれいな状態を保っていたら、溢れてしまうことも少ないのですが、普段意識しない存在を綺麗にしておくことは難しいかもしれません。
せめて、梅雨時や台風シーズン前には、雨樋の様子を見てみることをお勧めします。
雨樋は、その形状からどうしても上から落ちてくるものが留まりやすくなります。
樹木の落ち葉や花びら、鳥が運んできた木の実など、土埃や風に舞う微細ゴミなど、カラスなどの羽や糞、営巣したりと、自然に溜まってしまい、詰まりを引き起します。
また、強風や降雪、降雹の影響で耐えられなくなり、樋の繋ぎ目が破損、ぶら下がっていることがあります。雨樋の機能を無くしてしまった樋を、修繕せずに放置していると、雨が降るたびに家全体への悪影響が心配になります。
軽い症状の時に、修繕して雨の日でも安心して生活したいものです。
雨樋清掃の注意点
「雨樋ぐらい自分で掃除できる」とお考えの方も多いでしょうが、簡単に考えていては、大参事のもとですよ。
雨樋の詰まりは、定期的な清掃とリフレッシュで回避できますが、とても危険な作業になります。1階の雨樋をベランダからホースを使って水を送りを流してしまう、という簡単な問題ではありません。詰まりの原因である枯葉やゴミを取り除けばよいというのは、あくまでも脚立を使って作業する1階の部分だけです。2階にも雨樋はあって、屋根の外側に取りつけられていますから、どうしても屋根に登って作業することになります。
苔や藻が付いた屋根は滑りやすく、屋根の一番下になる雨樋を掃除するのは、プロであっても危険が伴います。また、ゴミを取り除いた後の洗浄は、高い位置から水を使って確認しながら作業するのが、一番です。
地上から高圧洗浄で水を掛けても、樋の状態はわかりません。経年劣化した雨樋は、柔軟性が無くなっており、むやみに高水圧で洗浄すると樋本体の破損につながる恐れもあります。
危険と手間がかかる雨樋の清掃は、専門業者にお願いするのが安心です。
雨樋清掃の方法
雨樋の清掃は危険が伴いますが、1階だけは自分で掃除したいという方は、手順を踏んで安全に行ってください。
【用意するもの】
・脚立や梯子
・ゴム手袋、マスク
・ほうき、ちり取り、ゴミ袋
・針金
・十分な長さのホース
【掃除の手順】
①梯子を使う場合は、雨樋にかかっても問題ありませんが、劣化やガタツキの無い事を確認してから体重を掛けるようにしましょう。
②雨樋の枯葉やゴミを取り除いてきれいにしましょう。
鳥によるウイルスやアレルギー物質の影響を考えて、必ずゴム手袋をして素手で触らないようにします。また、ホコリを吸いこまないように、マスクをすると安心です。
取り除いた枯葉やゴミは、自治体の指定通りのゴミ袋で処分します。
堅樋は手が入らないので、針金などを使って可能な限りゴミをかき出しましょう。
③水を流して詰まりが無い事を確認します。
堅樋に水が流れる時、樋を叩くことで内側に固まった土や埃も剥がれて流されます。
スムーズに水が落ちていることを確認しましょう。
同時に割れの確認、つなぎ目に隙間が無い事を確認して、作業を終了します。
雨樋の詰まり対策
雨樋の掃除を一度したら、もう「大丈夫」とはいきません。
枯葉や土埃は日々溜まっていきますから、年に一度は掃除する必要があります。
そんな時間は無いし、面倒だとおっしゃる方には、いくつかの対策があります。
雨樋の詰まり対策をしたから、まったく詰まりが起こらなくなるのではありませんが、掃除の回数を減らし、雨樋の劣化を遅らせることは可能になります。
落ち葉除けネット
雨樋に筒状のネットを取り付けることで、落ち葉や枯れ枝などはキャッチされ、雨水はしっかりと通してくれます。ネットに枝葉が引っかかったり、小さなゴミや土埃は通してしまうので、数年に一度の清掃は必要です。
落ち葉除けシート
凸凹のある樹脂素材で、凹部分で水を流し、凸部分に枯れ枝などを止める仕組みになっています。ネットよりも小さなゴミをキャッチできて、詰まり防止に効果的ですが、枝葉の積もりが目立ちやすいデメリットもあります。
マルチカバーの設置
積雪から雨樋を守る製品ですが、落ち葉除け対策にも有効です。細かな枯葉などは入りこんでしまうので、やはり数年に一度の清掃は必要になります。
まとめ
我が家の雨樋も全く意識されないままです・・・近所のお子さんがバトミントンの羽を打ち上げてしまった時も、取ることができませんでした。足場がない、脚立もない、近くの窓もハメゴロシで、築十数年雨樋掃除していませんが、幸いにまだ詰まったことはありません。知り合いの家の雨樋には、花が咲いていたことがあります。土に枯葉や草の実などが重なって良い土壌となったみたい。そうなると、雨は樋を流れず、溢れだしてダバダバと駐車場に派手な音を出します。掃除しようと思っても、高さと無理な体勢での作業は不安です。
そんな時は、屋根作業の専門に頼んだり、家屋修繕のついでに雨樋清掃も依頼する方が安心できますね。