毎年やってくる台風は、年々巨大化し大きな被害をもたらします。一日で一月分の雨が降ったという報道も度々です。いつ、自分の暮らす地域が被害に合うのかと、ハラハラしてしまいますね。大雨が降ると雨漏りが心配という方もいらっしゃるでしょうが、雨が止んで晴れた日に、雨漏りのポタポタが起こったと、専門業者に電話する方も案外多いといいます。
今回は、「晴れているのに・・・なぜ？」の現象と、どうしたら良いかを見ていきましょう。
晴れているのに雨漏りが起こる原因
昨日までの雨が止んで晴れた気持ち良い日に、どこかでポツポツと滴が落ちる音がします。
音の正体を探しても分かりませんが、しばらくすると、１階の天井隅から内壁に水が漏れてきました。
こんな症状があったら、びっくりするのと同時に何故？どうして？と疑問に思いますね。
原因は、やはり前日の雨のようです。強い雨がわずかな隙間から建物内に浸入して、人目に触れるまで、時間差でゆっくりと室内に到達したのです。
外壁と内壁の間には、空間があります。外からの浸入口を探ることはできても、どこを伝って室内出口（雨漏り場所）に到達するか、いつから同じ症状が始まっていたのか、正確な判断は難しいのが現実です。
浸入した雨水は建物内部を移動する
雨の降り方、強さ、浸入口、その原因にもよりますが、一時的に大量の雨水が浸入すると、真下に流れて天井などから時間を経過せずにポタポタ滴り落ちることがあります。
しかし、雨水の量が少ない場合は、予想できない動きをしながら天井裏や内壁内をゆっくりと移動していきます。そして、晴れたあとに雨漏りを目にすることになったりするのです。
建物内部に雨水の水たまり
静かに浸入した雨水は、音がしたり、目にしないと雨漏りに気付くことはありません。
入り込んだ雨水は、壁内や天井裏の凹みなどに溜まっている可能性もあります。水の浸入は建物に大きな被害を与え、雨漏りだけでなく、留まった雨水によってカビやシロアリの発生を誘発する原因となってしまいます。
水たまり状態のまま、内部の水分が蒸発して乾燥すれば問題は少なくなりますが、一時的にも雨水が溜まるようになると、建物はゆっくりと腐食し劣化していきます。
予想不可能な場所に水が溜まる
ベランダやバルコニーは雨漏りもしやすい場所であるため、防水対策は入念に行われますが、小さなクラックや剥がれがあれば、雨水がシート内部に入ってしまいます。
浸入した雨水は、コンクリートや下地材とシートの間に溜まってしまいます。行き場を無くした雨水が少量であれば蒸発したり、壁内部に染み込んで表に見えることはありません。
雨樋の水はけが悪く、溜まった水がオーバーフローして入り込む例も見られます。
ベランダに水が溜まり出入口より高くなったら、簡単に室内に流れ込んできます。
水の排出口や雨樋の詰まりは、普段から気に掛けるようにしましょう。
雨が原因ではない可能性
晴れの日が長く続いているにも関わらず、雨漏りのような現象が起こることもあります。
雨が原因ではない場合は、設備の不具合の可能性が高いので、自己判断の応急処置はせずに、専門業者に相談しましょう。
給排水管からの漏水
雨漏りの可能性が低い場合は、建物内の水周りに問題がある事が考えられます。
水道の元栓を閉めて、水漏れが止まるようなら給水管が原因かもしれません。
水漏れが発生したり止まったりする場合は、排水管の可能性があります。
建物の形状によっては、天井にも給排水設備の配管があります。天井からの水漏れは、この配管に原因がある事も考えられます。配管のエルボー部分は、力が掛かりやすいので水漏れが生じやすくなります。気になったら、専門業者に依頼して調査・改修工事をしましょう。
湿気による結露
最近は機密性の高い住宅が増えてきたことから、結露問題も多くなりました。
室内の温められた水蒸気を含む空気が、外気温との温度差で急激に冷やされ、飽和状態を超えて水滴となり、結露します。窓ガラスやサッシ、屋根の付近は結露が起きやすくなります。結露水は、出窓の木枠やカーテンレールなどの角から壁に垂れてしまったり、壁紙の隙間に入り込んで、ぶかぶかに浮いてしまったりします。
結露水を拭いたり、除湿することで、結露による建物の劣化を防ぐことができます。
まとめ
どんなに強い雨であっても、台風が来ても、雨漏りなど起こって欲しくありません。
一度雨漏りを経験すると、降雨を恐怖に感じてしまいます。ましてや、「晴れているのに雨漏り？」となれば、不安は募る一方になります。
家も高額な買い物ですが、その後の修繕やリフォームもお金が掛かります。
雨漏りは軽度の方が、簡単で安価に改修することができます。
自分で応急処置をするよりも、確実な判断と修繕をしてくれる専門業者に相談することが、解決の近道になります。時間差の雨漏りを疑問に思ったら、早めの相談をお勧めします。
