家の中と外をつなぐ場所からは、雨漏りが起こりやすくなります。
屋根と壁、窓を気にされる方は多いかと思いますが、「換気口」も、雨漏りする原因になりがちな場所です。
この記事では、換気口が雨漏りする原因や、換気口の場所や形状別の雨漏り対策についてお伝えしていきます。
雨漏りの原因は多岐にわたり、特定も難しいものです。
知識として知っておくと、雨漏りが起こった際に、慌てずに済むはずです。
なぜ起こる? 家の換気口からの雨漏り
換気口から雨漏りしてしまう最大の原因は、「つねに外と繋がっているから」ですが、機能上、ふさいでしまうこともできません。
現代の住宅には、法律で「24時間換気システム」の導入が義務付けられています。
換気口の注意書きにも「台風などの強風時以外は、常に換気口を開けておくこと」と、書かれていることがほとんどです。
そのため、換気口には通常、浸水対策が施されています。
しかし、何らかの理由で浸水対策が機能していないことで、雨漏りの原因となってしまうのです。
換気口の形状別・雨漏りの発生理由
ここでは、換気口の形状別に、雨漏りの発生理由を解説します。
フードなしタイプの換気口とフード(ベントキャップ)付きタイプの換気口
換気口には「ベントキャップ」という風雨侵入防止のキャップがついています。
キャップ自体が「ガラリ」という斜めに切り込んだ形になっているので、通常の雨や風は吹き込んでこれない構造です。
キャップには「フードあり」のものと「フードなし」のものがあり、フードありのほうが雨風の吹き込みに強い構造となっています。
雨漏り原因
- フードなしタイプ
- フード付きタイプ
台風や強雨など、不測の事態で雨水が入り込んでしまう場合がほとんどです。
風当たりが強い壁に設置されている換気口にフードがない場合、ベントキャップをフード付きのものに交換することが有効な対策です。
フードの経年劣化が原因になるほか、サイズが合っていない、取付時のコーキングの甘さなどが雨漏りの原因になることも。
フード付近からサビが線状に染み出している状態も、フードの劣化のサインになります。
フードがついているから安心というわけではなく、フードがついていても雨漏りは起こることがあると念頭に置いておくとよいでしょう。
妻換気口(天井切妻部の換気口)
家の天井裏の換気口として機能しているのが「妻換気口」です。
屋根の切妻部分についていることが多く、キャップ部分はガラリになっています。通常の「上から下に降る雨」ではまず雨漏りすることはありません。
しかし、「下から上に吹きこむような雨」が降ってしまうと、雨が換気口の中に吹き込んでしまい、雨漏りする原因となります。
換気口内部のダクト、パイプ、蛇腹の形状
換気口は、家の内部のダクトやパイプにつながっています。
この通り道は通常、家の内部に水が流れていかないように勾配が工夫されているのですが、経年劣化や施工ミスで勾配が逆になってしまうことにより雨漏りの原因となることがあるようです。
換気扇(プロペラファンタイプ、シロッコファンタイプ)
キッチンについている換気扇からも雨漏りが発生することがあります。
- プロペラファンタイプ
- シロッコファンタイプ
従来の家庭でもよく見かける、壁にプロペラファンがついているタイプの換気扇です。
吸い込んだ空気を直接屋外に放出しているので、屋外との距離が近く、吹き込みによる雨漏りが起きやすい構造となっています。
通称レンジフードと呼ばれることが多い換気扇です。
吸い込んだ空気を、ダクトを通して排気するため、ダクトや外部の排気口に問題がなければ雨漏りはしにくい構造です。
この他にも、「軒下換気口」や「浴室換気口」、「トイレ換気口」もあります。
一般的に雨漏りしづらい場所ではありますが、外部排気口の構造はほかの室内換気口と変わらないので、雨漏りの原因にはなり得ます。覚えておくといいでしょう。
家の換気口からの雨漏りが発生した際の対策
家の換気口から雨漏りが発生した場合、個人でとれる対策はそこまで多くありません。
いくつか方法を紹介いたします。
つまりが起こっている場合は、換気口の掃除をする
ほこりや落ち葉、泥などで換気口がつまり、汚れを吸着しやすい状態だと雨漏りは発生しやすくなります。
定期点検もかねて、清掃するとよいでしょう。
雨風の吹き込みが原因の場合
フードなしでカバーも十分でない換気口の場合、後付けのフードで覆うことで雨漏りを防ぐことが可能です。
ただし、自力で施工するのは難しい場合が多く、コーキング不良などがあるとそこからまた雨漏りが発生してしまいます。
取付工事もプロにおまかせするのが最も安心です。
その他が原因の場合
妻換気口や配管が問題の場合、高所作業が伴います。
一般の方が自力で直すのは危険ですので、修理業者にお任せするのが一番です。
換気口を安易にふさぐと結露の原因になる
換気口から水が入ってくるからと換気口をふさいでしまう方がいらっしゃいますが、安易にふさいでしまうことは、「結露」の原因になります。
雨漏りだと思っていたものが、パイプ内の「結露」だったということもしばしば起こっています。
雨漏りは雨の時だけですが、結露は湿度差、気温差が激しくなることで起こる現象です。
結露は年中起こる可能性があり、家をむしばむカビやシロアリの発生源にもなります。
安易に換気口をふさいでしまうことはお勧めできません。必ずプロの目で確認してもらうことをお勧めします。
まとめ
- 換気口は浸水しやすい場所なので、定期的に点検して劣化していないか気を付ける
- 換気口の異常に気づいたら、早めにプロに相談しましょう
雨漏り匠ナビでは、雨漏り鑑定士による雨漏りの原因解明も承っています。
気になる換気口の水漏れを発見したら、お気軽にご相談ください。
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