新築で家を建てるとき、ほとんどの場合はコンクリートで基礎をつくります。
今後何十年にもわたり家を支え続ける土台となるためとても重要な部分ですが、「コンクリートを流し込むときに雨が降ったら…」と不安になる方も少なくありません。
結論から言えば、コンクリートの打設前に雨が降っても問題ありません。
今回は、コンクリートと雨の関係について、また家の基礎工事の打設前・打設中・打設後に雨が降ってきたときの影響について解説します。
家の基礎コンクリート(打設前、打設中、打設後)における雨の影響は?
日本は雨が多い国であり、平均すると3日に1日の割合で雨が降ると言われています。
そのため、家を建築している間も当然雨の日はあります。
コンクリートを流し込むときに雨が降っていたら、薄まって強度に問題がでるのではないか?
コンクリートが固まりづらくなるのではないか?雨が降って水たまりのようになっているが大丈夫なのか?
家の重要な基礎部分を作るにあたり、こうした不安を持つ人は少なくありません。
しかし、コンクリートは乾燥して固まるのではなく、化学反応によって硬度が増します。そのため、雨に濡れたり湿気が多いからといって乾きにくくなることはありません。
基礎コンクリートの打設前・中・後に分けて雨の影響について見ていきましょう。
基礎コンクリートの打設前の雨
基礎コンクリートの打設前に雨が降っても、施工には問題ありません。
生コンは水分があることで硬化できるため、通常、生コンを流し込む前には散水して湿らせておく工程を踏みます。
ここで雨が降っても、散水するのと同じ効果が得られるためコンクリートの強度や仕上がりには問題は生じないのです。
基礎コンクリートの打設中の雨
打設前後に雨が降る分には問題ありませんが、打設中の雨は注意が必要です。
コンクリートの水分量はセメントの量と計算して調整されています。それが打設中の雨により水分量が増えてしまうとコンクリートの品質的に良くありません。
小雨くらいであれば問題ありませんが、ゲリラ豪雨のように集中的な大雨が降ると危険です。
打設中の大雨はコンクリートの強度にも関わってくるため、打設する日に雨が降ることがわかっていれば延期するのが一般的と言われています。
基礎コンクリートの打設後の雨
コンクリートはセメントと水の水和反応によって強度が増します。しかし、打設後のコンクリートが乾燥していると表面から水分が取られて思うように強度が発現しないこともあり、ひどくなると表面にヒビ割れが発生することも。
これを防ぐために、打設後のコンクリートの養生として散水することもあります。
そのため、打設後のコンクリートが雨で濡れても問題ありません。
また、コンクリートを打設して数日後に水たまりができるほどの大雨が降っても同様に心配不要です。
しかし、コンクリートの打設後5〜6時間以内に強い雨が降ると、要注意です。
コンクリートは練り混ぜてから次第に硬くなり、形が変えられない状態になるまでに5~6時間かかると言われています。この時間が経過する前に表面を荒らすほどの強い雨が降ってしまうと、表面仕上げの出来栄えに問題が生じてしまいます。
基礎工事のコンクリートが乾く(固まる)までの時間は?
先述したように、コンクリートは乾燥ではなく化学反応によって硬度が増します。
その化学反応は時間をかけてゆっくりと行われるため、セメントの本来の強度を100%とした場合、打設して7日で約45%、28日で80%、3ヶ月で90%、1年で95%と言われています。
しかし、100%までいかなくても十分な強度が得られるため、コンクリートは一般的に28日で必要な強度が出現するとされています。
また、コンクリートの固まりやすさと強度の出やすさは気温の高さに比例し、夏は固まりやすく強度も出やすいのに対し、冬はどちらも時間がかかります。
そして、コンクリートは完全に乾くまでに「養生期間」が必要です。
養生とは、コンクリートが固まるまでに急激な乾燥、気温の変化や雨から施工部分を保護することです。シートを掛けるなどして、少なくとも3〜7日は養生期間を設けます。
コンクリート工事の業者によっては工事の時期と天気予報を考慮し、工事の日程を決めます。
梅雨の時期や真冬の時期はコンクリートの固まり方に大きく影響がでるため、その時期を避けて工事を行う場合もあるようです。
まとめ:コンクリートの打設日は天気予報をチェック!
基礎工事において、コンクリートの打設前後の雨は問題ありませんが、打設中の雨は注意が必要です。
打設する日とその前後の天気予報はよくチェックしておき、打設日に雨が降った場合の対応についても施工会社にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。