せっかく時間とお金をかけて選んだ物件が欠陥アパートだったら、がっかりしますよね。
入居時に直す約束をしてもらっていたのに、実際直すのは被害が出てから……。こういったケースは珍しくなく、金銭トラブルに発展している例も。
ここでは、「もしも」お住まいのアパートに欠陥があり雨漏りした場合、どうするといいかを解説します。
慰謝料の請求や家賃の減額ができるのかに関しても説明しますので、お困りのかたは、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
まずは現状把握、アパートの欠陥を双方で確認しよう
住んでいる物件に欠陥があることがわかった場合、まずは管理会社、もしくは大家に連絡をとり、原因を調べることが先決です。
ここでは連絡後の対応について、紹介していきます。
原因が住宅なのか、住環境なのか、はっきりとさせる
例えば、借りていた部屋の窓から、雨漏りが発生したとしましょう。
雨漏りの原因が「住宅」になるのは以下のような例です。
- 設計ミスで窓枠に窓がちゃんとはまっていない
- 別の場所で発生している雨漏りが漏れてきている
- 壁にヒビが入っていて、窓の部分で漏れ出してしまっている
このような場合は、物件を管理している大家側に瑕疵責任が生じます。
また、「住環境」による雨漏りとしては以下のような例もあります。
- 窓サッシの清掃を怠り、さびやごみが大量に付着した結果窓のたてつけが悪くなった
- 故意、または事故で窓ガラスや窓枠が破損してしまった
- 別の部屋の水漏れがしみ出ている
このような場合は、居住者に住環境を改善してもらう必要があります。
いずれにしても、まずは正しい雨漏り診断で、原因を特定することが大事です。
雨漏り診断のできる修理業者に調査依頼し、判断してもらうのが一番です。
住宅が原因の場合、「家主」に修繕義務がある
修理を依頼するのは主に大家の役目です。
というのも、貸主が物件を貸す際、借主には「住居として使用する」旨の契約を結んでいます。
程度にもよりますが、多くの場合、雨漏りが発生したら住居として安心して使用できなくなります。
これでは貸主への契約違反になりますので、大家が修繕の義務を負うことになるのです。
放置すると契約不履行となり、損害賠償の請求対象になる可能性もあります。
大家が加入している住宅保険の請求対象となることがほとんどですので、入居者は安心して話し合いを進めるといいでしょう。
明らかな施工段階での欠陥住宅の雨漏りの場合は、大家さんもある意味被害者である
入居者に非がなく、建物の劣化が原因でない雨漏りの原因は、住宅の施工段階の欠陥や他の入居者が原因の場合もあります。
その場合、ある意味大家も被害者と言えるでしょう。
いくら連絡しても直してくれない、直したと言われているのに直っていない場合のほとんどが、雨漏りの原因を特定できていないからです。
雨漏りの原因の特定は、集合住宅となると大変難しく、建築元の工務店や提携先の修理業者でも判断が難しい場合があります。雨漏りのプロの目線から、修理業者を選定することが重要です。
慰謝料はもらえる?欠陥アパート家主への損害賠償請求
雨漏りで大事な家具が傷ついたり、家族や自身の健康や精神状態に影響が出てしまった場合、慰謝料は請求できるのでしょうか?
ここでは、ケース別に損害請求が可能か、解説していきます。
雨漏りの場合、「物損事故」に関しては保険がおりるが慰謝料は請求できない
家具が濡れて使えなくなった場合など、雨漏りによって破損したものがある場合は、通常「物損事故」として扱われます。
人が負傷せずに物が損壊しただけの物損事故の場合、財産的な損害が補填されれば精神的な苦痛に対しても保証したものと考えられています。
よって、物損事故では原則、損害賠償を請求できないケースがほとんどのようです。
損害保険金は支払われますので、その中に「迷惑料」も含まれると認識すると良いでしょう。
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家賃の減額は被害状況で応じてもらえる場合もある
雨漏りしてしまうと、家の一部、または全部を安心して使用できない状態となります。
家賃というのは、部屋の全部を決めた用途で使用するために、それに見合うだけの賃料で貸出しているため借主が支払うものです。
ですので、雨漏りの範囲や程度、期間によっては住宅として使用することができないため、家賃の減額が認められる場合もあります。
家賃の減額は、大家立ちあいのもと、被害状況を確認して示談になる場合がほとんどです。
雨漏りで精神的被害を受けたと感じる場合は、弁護士に相談するといい
上記の解説はあくまで一例であり、お住まいの部屋の状況や家族構成、破損した物の状況や重要度によっては例外が認められる場合があります。
ご自身、または家族が精神的苦痛を与えられたと感じる場合は、弁護士を通じて司法手続きを踏むことも可能ではあります。
費用対効果に関しても考慮した上、納得のいく方法をとると良いでしょう。
感情論で話し合うのは事態がこじれる原因になるため、おすすめしません。
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入居中のトラブルは、すぐに大家さんに連絡をとること
入居中のトラブルは、基本的には家主である大家、もしくは管理会社に連絡をしましょう。
連絡がつかない、まったく修理に応じてもらえない場合など、悪質な場合は入居者自身で修理を依頼し、修理費用を大家に請求することが可能です。
しかし、大家の修繕責任の範囲外のケースの場合は保険が下りないこともあるので、安易な自己判断はせずに、まずは大家に連絡をとりましょう。
入居前の場合は、どんなにいい物件でもあきらめることを念頭にいれよう
入居前の物件に瑕疵があることを告げられた場合、よくあるトラブルが「直すと言っていたのに直ってなかった」というものです。
大家側に責任があるのはもちろんですが、瑕疵の説明責任は果たしているため、借主が泣き寝入りしたり、トラブルになったりすることも多いです。
ココに注意
大家のほとんどは「多少の欠陥なら、それを許容できる入居者」を探しています。
借主にとっては命を預ける大切な住宅です。どんなに条件が良くても、瑕疵の程度によっては別の物件を探すことがベストかもしれません。
賃貸の雨漏りや水害は自己判断せず、大家や管理会社に連絡しよう
アパートの欠陥で雨漏りが発生した場合、慰謝料を請求できるかはケースバイケースです。
雨漏りの原因にもよる部分が大きいので、自己判断はせずに、必ず大家を通し、しかるべき調査をしてもらいましょう。
もしもお困りの大家さんがいたら「雨漏り鑑定士」に依頼することを進言してもいいかもしれません。
雨漏り匠ナビは、相談、現地調査まで無料で行っております。お気軽にご相談ください。