賃貸物件などで雨漏りに関するトラブルにお困りの方
実は全国的に見ても賃貸物件の雨漏りトラブルは意外と多いのです。
持ち家と違って、すぐに雨漏り修理を自分でお願いすることができないので、そこでのやり取りがトラブルに繋がりやすい要因でもあります。
こんな時、どのように対応したらいいのかわからない方がとても多いのが実情です。
そこで雨漏り匠ナビでは賃貸物件でよくある雨漏りトラブルをQ&Aの形でまとめましたので、その対応方法をご紹介していきます。
賃貸物件の雨漏りで立ち退き料はどうなる?
ご質問
賃貸物件に入居しているですが、雨漏りが起きてしまい大家さんから立ち退きを求められました。
こうした場合どのように対応したら良いのでしょうか?立ち退き料の相場はいくらくらいなのでしょうか?
回答
1. 立ち退き要求の対応について
このご質問にある着目点は雨漏りの原因が貸主側にあるのか、それとも借主側なのかがポイントになります。
立ち退きは正当な理由がなければ要求することができないと定められています。(借地借家法第28条)
なので、まずは立ち退きを求められた通知書の内容を確認しましょう。
A 雨漏りの原因が貸主側にある場合
貸主側の理由によって立ち退きを求められたのであれば、立ち退き料などを交渉することが可能です。
B 雨漏りの原因が借主側にある場合
借主側の不注意によって立ち退きを求められたのであれば、応じる必要があります。
その際は立ち退き料を求めることは難しいでしょう。
ただしABいずれの場合も賃貸契約書にそうした際の対応が明記されていることもありますので、必ず読み返すようにしましょう。
2. 立ち退き料の相場について
立ち退き料は、雨漏りの状況や建物の経過、地域などによって大きく異なり、法律によって決められていないため賃貸物件の立ち退き料の相場というものはありません。
退去時に「敷金の全額と6ヶ月分の家賃を支払う」ことを条件に転居する事例もありますが、あくまで一例ですので貸主との交渉次第になります。
もし貸主との交渉に折り合いがつかない場合は、建物の入居募集をしている不動産会社や弁護士などに相談してみましょう。
賃貸物件で雨漏り修理をしている際の、ホテル費用の負担はどうなる?
ご質問
賃貸物件で雨漏りが発生した場合、雨漏りの規模によってはホテル住まいになると思います。
この修理期間中のホテル費用などは大家さんが負担してくれるものなのでしょうか?
その際のホテル費用の相場はいくらくらいなのでしょうか?
回答
1. ホテル費用などの負担先について
雨漏りによって一時的に居住ができない状況になった場合は、貸主側にホテル費用などを請求することが可能です。
負担してもらう範囲については貸主との交渉次第になると思いますので、後々問題にならないよう早めに書面などで残しておくことが大切です。
2. ホテル費用の相場について
ホテル費用の相場としては一般的なビジネスホテル相当と考えると良いでしょう。
なお宿泊費が高すぎるホテルの宿泊やルームサービス料などは、今回の雨漏り修理による一時宿泊とは何も関係がないとして認められないことはあり得ます。
常識の範囲内での費用を請求する事が大切です。
入居者から雨漏りを理由に家賃減額を迫られたらどうする?
ご質問
賃貸物件の入居者から雨漏りによる家賃減額を求められた場合はどのように対応したらいいのでしょうか?
回答
雨漏りは早急に対応しなければいけませんが、家賃減額の要求を拒否することは可能です。
ですが、次にあげるポイントを押さえているかで交渉の余地が発生してきますので注意が必要です。
貸主は雨漏りに対して適切に修繕対応を行っているか
賃貸物件に雨漏りなどの不具合が生じた場合、貸主には修繕義務が発生します(民法第606条)
その為、雨漏りに対して業者に依頼している、または修繕を行っている最中であることが大前提になります。
もしそこを怠っているのであれば、貸主側に過失があるということになりかねません。
入居者(借主)に対して適切に連絡はしていたか
雨漏りはすぐ原因を突き止めて直すのは難しい部類のものです。
なので、その進捗状況を雨漏り被害に遭われた入居者に適宜連絡を行っていたかも大切です。
これを怠っていると入居者との信頼関係が築けていないとされ、交渉の余地ありとみなされるかもしれません。
雨漏り被害の状況などによっては修理期間中だけ減額するなど柔軟な対応が求められることもありますが、もし貸主との交渉に折り合いがつかない場合は、弁護士などに相談してみましょう。
賃貸物件で雨漏りしているのに大家さんが修理してくれない場合どうする?
ご質問
部屋に雨漏りが起きてしまい、大家さんに修理をお願いしているのですが一向に対応してくれません。
このような場合はどのように対応したらいいのでしょうか?
回答
このケースの場合、大家さんは法律により賃貸物件を修理する義務がありますので、雨漏りが起きているのに「修理をしてくれない」というのはその義務を怠っていることになります。(民法第606条)
その為、「大家さんに雨漏り発生の連絡を行っており、相手がその状況を知っている」ことを前提として、入居者自身で設備の修理手配をすることができます。(民法第607条の2)
なお、修理手配をする旨は必ず大家さん側に連絡するようにしましょう。
民法で定められていてもトラブルに繋がりかねません。
修理を行った際は、雨漏り修理にかかった費用を大家さんに請求することが可能です。(民法第608条)
もし交渉が難航した際には、早めに弁護士などに相談しておきましょう。