ここ数年梅雨の時期などは河川が氾濫するレベルの大雨、ゲリラ豪雨はもちろん、すさまじい雷雨も増えて、台風も強大な暴風雨ものばかり。1年を通して、自然に振り回される事が増えています。
時には湿度が非常に高かかったり、気温は日により寒暖差もあり、体調を崩す方も多くなります。病院・クリニックを経営される皆様は、施設の環境を清潔・快適に維持した上でこうした時期の患者様をお迎えしたいですよね。
しかし、長年地域の皆様のために開院していれば、施設は老朽化していってしまうもの。
メンテナンス・修繕費用も決して安いものではないため、病院の建物そのもののケアは後回しになってしまいがちになり、気がつけば院内の数カ所に雨漏りと思われるシミが現れてしまっていることもあるかもしれません。
今回は地域の皆様のために大切な医療を提供する病院経営者の方に、雨漏り修理の重要性と、業者選定のポイントをお伝えします。
こんな方におすすめ
- 経営している病院が雨漏りしている方
- 病院の天井やクロスのシミが気になっている方
- 病院の老朽化が心配な方
病院の雨漏りを放置する危険性
はっきり言って、病院の雨漏りは百害あって一利なしです。
軽度の雨漏りで業務に支障がないからと放置してしまうと、建物はもちろんのこと、来院される患者様にまで悪影響が及んでしまうかもしれません。
ここでは、雨漏りを放置した際の危険性を4つお伝えします。
① カビ、ダニの発生・繁殖原因に
カビは湿度60%以上で発生、80%以上で増殖します。
院内の環境を整えるためエアコンも多数稼働しているかと思いますが、このエアコンもカビの温床になり、雨漏りで増殖したカビを院内全体へ撒き散らすことにつながります。
また、ダニも湿度50%から80%が繁殖に適しているため、雨漏りの湿気により増殖してしまいます。
梅雨時に増殖したダニの死骸や糞がハウスダストとなり、喘息やアトピーなどのアレルギーをお持ちの患者様に悪影響がでてしまうかもしれません。
② 院内の湿度があがり、症状を悪化させる懸念も
湿度の高い状態は汗を書きづらくなり、体に余計な水分がたまりやすくなります。ただでさえ体調を崩して入院されている患者さんは運動もなかなか出来ない状況ですから、体調の悪化や回復の遅れにつながる可能性もあります。
③ 天井や壁、クロスのシミ・剥がれによる院内外の見た目の悪化
「早く病気を治したい」「大きな病気を予防したい」と考えて病院に足を運ぶにもかかわらず、不衛生さを連想させる外観・内装を見て信頼感を損なえば、「かえって病院に行ったら悪化してしまうかもしれない」と敬遠されることも。
④ シロアリの発生・増殖
カビ・ダニだけでなく、シロアリも湿気が大好きです。そのため、雨漏りは建物を食い荒らすシロアリの繁殖も懸念されます。
通常、シロアリ被害を防ぐ防蟻工事の保証期間は5〜10年とされています。
しかし、実は雨漏り・漏水・結露などの水分発生でシロアリは侵入してきてしまうため、こうした場合のシロアリ被害は免責扱いになり、補償外となります。
雨漏りを放置したことで大掛かりな補修行わなければならないケースもあります。最悪の場合、建て替えまで必要になってしまうことにもつながりかねません。
陸屋根の病院は屋上防水をしっかりと!
病院の多くは「屋上」のある、平らな屋根=「陸屋根」を採用しています。
ですから、屋上の「防水処理」と「メンテナンス」が非常に重要になります。
まず、防水処理に関してですが、以下の2種類がおススメです。
ウレタン防水
液体のウレタンを塗り、屋上の床面に防水層を形成する工法です。
液体の防水塗膜によって複雑な形状の場所でも継ぎ目ができないため、水の浸入リスクを低く抑えることができます。
また、価格も比較的お手頃です。強度は高くないため、人の出入りのない屋上に特に推奨されます。
塩ビシート防水
塩化ビニールのシートを貼り、防水層を作る工法です。
高耐久・安価で、下地を気にせず防水工事が可能です。
工期も短く、工事中の臭いも発生せず、コストパフォーマンスの高い防水処理となっています。ただし、複雑な形状をした場所には向きません。
その他の防水工事(FRP防水・アスファルト防水)
ウレタン防水や塩ビシート防水以外にも、さまざまな防水工事があります。
FRP防水は特殊なガラス繊維を使用する強度の強い防水工事です。身近なところでは、浴槽などにも使われている素材です。
アスファルト防水も強度があり、古くから採用されている防水工事です。
屋上に駐車場を作るような大きな施設で採用されることが多くなっています。
陸屋根のチェックポイント
続いて、「メンテナンス」のための雨漏りの原因となりやすいポイントを紹介します。
ドレン(排水口)まわり
平らな屋上に降った雨は、このドレンから排水されます。ドレンの詰まりは漏水に直結しますので、定期的に、内部まで含めて確認・清掃をおすすめします。
ひび割れ・接合部のめくれ
シートや塗膜による防水層は、特に継ぎ目に劣化が発生しやすくなります。平らな床面だけでなく、端の壁、形状の複雑な場所を見逃さないようにしてください。
天窓のサッシ
屋内への採光のため、天窓を設けている場合は、サッシまわりが要注意です。結露による木材腐食もカビ、雨漏りの原因になります。
病院の雨漏り修理業者を選ぶポイント
では、実際に雨漏りが発生していた場合、どのような業者を選び、修理の日を迎えたら良いのでしょうか。
まず、雨漏りの診断・原因特定というのは実は非常に難しいということをご理解ください。知識と経験と確かな技術を持ち、真摯に対応しようという心のある業者を探す必要があります。
そのため、選び方としては
とにかくこれが重要です。
雨漏り修理までの流れは、次の①〜④の流れになっています。
step
1業者への電話・メール相談
調査してほしい建物の場所、面積、築年数などを伝えるとスムーズです。現地調査の日までに図面を用意できるとより良いですね。
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2現地調査
実際に現地を訪れ、業者が目視による確認を行います。目視までの調査は無料の業者が多いです。
先ほど述べたように雨漏り診断は非常に難しいため、目視のほかにも散水調査、赤外線カメラ調査など費用をかけ入念に調査し、雨漏りの原因を特定する場合もあります。
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3見積り〜契約
原因が特定されると、必要な工事の提案があります。業者が必要な工事費を記載した見積りを作成し、依頼者が検討の上、契約することになります。
step
3施工
実際に雨漏り修理を実施します。想像以上に被害が広がっている場合には、追加の補修費用が発生する場合もあります。
見積り作成は複数業者に相談し、金額の相場と比較することが大切です。
提示する金額についての説明の明瞭さ、誠実な対応かどうかを慎重にご検討ください。
質の良くない業者は契約のため、いい加減な現地調査で安易に安価な見積りを出し、手抜き工事、検討違いの箇所の補修をすることがあります。
いくら見積りが安くても、手抜き工事で雨漏りが再発してしまっては、余分な修理費用がかかることにもなります。
確かな知識・経験・技術を持った雨漏り鑑定士の在籍する専門業者が、やはり安心できるでしょう。