雨漏りを放っておくと、壁や天井にシミをつくり湿気で畳もジメジメしてきます。
カビや細菌の温床になるばかりか、木造住宅の大敵であるシロアリが発生する原因になってしまいます。
「シロアリによる2次被害」とはどういうことなのか、雨漏りとの関係から見ていきます。
①シロアリの種類と特徴
②雨漏りとシロアリ
③シロアリから家を守る
④シロアリ被害の保証期間と雨漏り
○まとめ
①シロアリの種類と特徴
日本には、20種類以上のシロアリが生息していると言われていますが、木造住宅や建築物の問題になっているのは、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。
シロアリは木材であれば何でも食べますが、松材は特に好みのようです。他には段ボール、衣類、建築資材(断熱材など)、電線ケーブルなど手当たり次第に食い荒らし、コンクリートも穴を開けられてしまいます。
「イエシロアリ」の加害度は、恐怖さえ感じるほどの勢いと過激さで尋常ではありません。
▶「ヤマトシロアリ」
湿った木材を好み、床下の湿気や水分の多い地上から近い部分に被害を与えて、限定的な場所への加害となります。
日本全国に生息し、1集団数は1万~2万匹です。
▶「イエシロアリ」
湿った木材に限らず何でも食い散らし、地面付近のみならず地上から屋根裏まで浸食します。その加害度は激烈で、1集団数は数十万~100万匹と巨大になり、西日本南部地域限定の生息となります。
②雨漏りとシロアリ
シロアリが生息するには水が必要です。家屋に雨漏り・結露・漏水など水分の供給があればシロアリの発生リスクはその頻度や程度によってどんどん高くなります。
基礎工事中に木製型枠・不要な木材片など一部を土中に放置し埋めてしまうことがあります。
この放置木材などがシロアリ発生のリスクを高めることになります。新築時に防蟻工事を行いますが、地面から1mの防蟻工事基準だけでは無理な場合も多いのです。
雨漏りや漏水・結露など水分の供給があれば、高いところでもシロアリの被害にあいますから、防蟻工事をしたから大丈夫と考えずに適時点検が必要になります。
③シロアリから家を守る
最近の基礎工事は、建物内部に土のないベタ基礎に移行しています。土間をコンクリートで固めてから立ち上がり基礎をつくるので、内部からは土が見えなくなります。
シロアリ対策として絶対ではありませんが、発生リスクを抑えプラスに作用します。
コンクリート土間にしても継ぎ目部分や設備配管周辺などから侵入することもありますから、防蟻処理はするべき工事です。
④シロアリ被害の保証期間と雨漏り
新築時に防蟻処理を施工しても永久に効果があるものではありません。シロアリ被害の保証期間は、使用する薬剤などにより施工後5~10年とされます。10年という長期間の保障がなされていても、雨漏り・漏水・結露水などに関連したシロアリ被害は免責となっており、補償されません。
常に雨漏りするわけではなく、台風や暴風雨などの発生により年2、3回で少し壁や窓枠を水が伝うだけだからと放置すると、シロアリは容易く侵入してきて、補修工事だけでは済まなくなってしまします。
雨漏りの大小にかかわらず、気がついたら早期に点検し修繕してもらいましょう。
シロアリを発見してしまったら、気づいていない雨漏りが起こっているかも知れません。
早期点検と早期に補修することで、大事に至らずに安心して暮らせるようになります。
まとめ
雨漏りがシロアリの発生リスクを高めています。雨漏りは少しだから、これぐらい、面倒だからなどと放置していると、補修工事だけでは済まない被害に発展する場合があります。
防蟻処理工事をしていても完全にシロアリを防げるものではありません。「雨漏り=シロアリ」リスクを理解して、安心安全な暮しを実現しましょう。