近年、台風や豪雨災害によって多くの家屋が被害にみまわれています。屋根をブルーシートで覆ったまま数年経って漸く修繕できたという話も聞かれます。災害は毎年のようにやってきて心配や不安を抱えることになります。
そんな家主の心配に付け込む悪徳業者の手口は年々巧妙になり、被害者も少なくありません。
「騙されない」ために知識を持ち、力を付けることが必要です。
①挨拶商法
②点検商法
③不安商法
④見本工事商法
⑤アフター商法
○まとめ
①挨拶商法
「近くでリフォーム工事をやることになりましたので挨拶に回っているところです。お宅の屋根がちょっと良くない状態なのでお声かけさせてもらいました」などと、近所で工事するからと安心させて、親切心から声かけしたことを装って家主の懐に入り込む方法です。
「〇〇丁目で屋根工事に入りました。今なら足場工事代が安く抑えられますよ」とか、「大手〇〇住宅メーカーから依頼を受けて参りました。▲▲さん宅でもうすぐ工事が始まりますのでご挨拶に伺いました」などと、有名企業の名前を出したり、格安を強調したりして話に引きこみます。
②点検商法
いきなりやってきた営業マンが消費者の不安を煽り不要な工事を高額契約させる被害が点検商法です。「点検」を口実に入り込むので「点検商法」と呼ばれています。
「雨樋に枯葉が詰まっていると雨漏りの原因になります。今日は無料で掃除させていただきます」と「無料」を強調することもありますから注意が必要です。
無料だからと頼んだら、その後はありもしない不具合を並べて高額な工事契約をすることになりかねません。
また、「水道局の方から来ました。この地域の水道水の検査・点検で回っています」と言いながら水道水に薬品を入れて「この水は身体に悪い、浄水器を取り付けないと病気になる」高額な浄水器を売りつける商法です。
「水道局の方」というのは、水道局や水道局の委託で来たと錯覚させるのです。
水道管の点検、消防署の消化器点検なども同じで公的機関からきたと思いこませます。
「無料点検」を安易に応じるのは危険です。
③不安商法
「近所で屋根工事をしている職人ですが、気になったので伺いました。お宅の屋根瓦が割れているのが見えます。このままですと雨漏りの危険があります」と、普段は見えない場所である事から消費者の動揺に入り込む方法です。
この「不安商法」は営業マンが各家庭を訪問して、素人が知らないような専門用語を使い言葉巧みに不安を煽って高額工事の契約をさせるのです。ほとんどの場合、必要のない工事で使い勝手が良くなるどころか返って住み心地の悪いものになったりします。
不安にさせる営業トークは信用しない、その場での契約は絶対にしないなどはっきりとした態度を取りましょう。
④見本工事商法
「交差点からよく見えるお宅は宣伝になりますから、宣伝費用として半額でリフォーム工事をさせていただきます」お得に工事できると思っていたら、途中で「あれもこれも工事に必要」と追加工事を勧める手口です。
その結果半額と言われた金額が通常の2倍、3倍になってしまうのです。半額といわれても適正価格は他と比べないとわかりませんから、その場で契約しない事です。
この「見本工事商法」は外壁塗装、屋根、ベランダ、サイディングなど目立つ部分が多く、安価の強調、他社にない商品、今だけ期間などの言葉で気を引こうとします。
勧誘して契約をさせ、断ろうとすると「解約できない」と無理に工事を進めますが、工事内容はひどいものがほとんどです。
このような工事に特価や大安売りなどはありえないことを知りましょう。
⑤アフター商法
「以前、お宅の工事をさせていただきました。アフターメンテナンスに来ました」と言って屋根に上り「傷んでいるところがありますから、すぐに工事しないと大変になりますよ」と早急な工事が必要だと迫り、考える余裕を与えずに契約に持ち込む手口です。
電話を掛けてきて、身に覚えのない「商品を買ってもらった」からと話の糸口を引き出す口実にすることもあります。「そのような覚えはない」と応えると豹変して暴言を吐いたり、いきなり電話を切るなどの業者もいます。
勝手に検査済みシールやマークを門扉や玄関に貼って、さも定期点検を行ったように見せかける業者もいます。この方法が同様業者の目印となっているのです。
必要のない工事を作り出して契約させる手口もあるので、毅然とした対応が必要です。
まとめ
人の弱みや不安に付け込んで必要のない工事の契約をとり、高額な支払を迫るのが悪徳業者の手口です。うまい話、お得感を強調する、親切心を前面に出す、不安を煽る、考える暇を与えない、こんな営業マンがやって来たら、冷静になって「家族に相談する」「工事は必要ない」「無料ほど怖いものはない」とその場で契約せずに断りましょう。
隣近所の人間関係をよくしておくことで、悪徳業者の情報共有や助けを求める事ができ、地域から被害者を出さないことにもつながります。