避けることができない自然現象の台風ですが、雨台風であれば豪雨、風台風であれば暴風となり、豪雨と暴風のどちらも合わさった台風もあります。建物にとっては、豪雨に暴風も加わると被害も大きくなってしまいます。
しかし、台風は季節的な自然現象である為、台風が来る時期は決まっています。7月〜10月に発生しますが、集中して来るようになるのは、8月下旬から10月上旬くらいまでです。被害を最小限にするには、台風が来る時期の前に家のメンテナンスをきちんとしておくことが最も大切です。
そんな台風は、どのような風向きで移動するのでしょうか。
台風による風向きの強さには偏りがあります。
ある地点の西側または北側を、台風の中心が通過する場合、東→南→西と時計回りに風向きが変化しています。 逆に、ある地点の東側や南側を、台風の中心が通過する場合は東→北→西と反時計回りに変化します。
台風は、近づいて台風の中心である台風の眼に入ると、急に風力は弱くなり、中心が通過すると急に風向きが反対になり強い吹き返しが起こります。
台風のほとんどは、東南方向からの風が最も強くなります。初めは東の風が吹き、台風が近づいてくると南からの風が強くなり、離れていくにつれて西からの風に変わっていくというわけです。
台風は大きな空気の渦になっており、半時計回りに強風が吹いています。空気は気圧の高いところから低いところへ真っ直ぐに向かうことができません。それは、北半球では反時計回りに気圧の低いところへ向かうからです。台風の風は、中心にいくほど風速が強くなり、短い時間内での風速の変動も大きくなります。中心から数10km〜100kmぐらいのところでは最も風が強く、台風の目と呼ばれる中心付近では風は弱くなります。中心から距離が離れたところで強い風が吹くこともあります。
このことから、台風が近づいてくると、風向きの変化により台風がどこを通るのかがわかるという事になります。
普通の雨であれば問題はないのに、台風の時だけ雨漏りする家を調べたところ、南東方向からの台風など強風の時に吹き上がった雨水が浸入していることがわかりました。
通常時とは違う台風の時のような大量の雨と風は、雨漏りの原因となりやすいだけでなく、建物を破損してしまう恐れもあるのです。
強風が加わった雨は、普段雨漏りしない家でも雨漏りしてしまう可能性があるという事です。
雨漏りの原因は、台風以前に何かしらの原因がある事もあります。通気口や換気扇から雨が入り込むこともあり、様々な原因が考えられます。
コーキングや屋根の劣化、外壁のヒビ割れなどがある場合、台風の猛烈な圧力により、一気に破損や雨漏りをしてしまう事があります。
コーキングには寿命があり、長くて10年、短かいと5年と言われています。
外壁や窓枠・サッシの隙間には、コーキングが使用され、隙間をふさぐ役目をしています。
紫外線により経年劣化してしまうので、ひび割れなどが発生してしまいます。
このような劣化などが原因で、台風の強風や豪雨の時には、雨が建物内部へ浸入してしまいます。
強風のときには、物が飛んでくることがあり、それにより建物が被害を受けてしまうことがあります。
台風が接近してきたら、ベランダや敷地に置いてあるものにも対策が必要です。
雨漏りしてしまうと建物に多大なる被害をもたらしてしまいます。
家の内部に雨水が入ると、壁や木材などが湿ったままの状態になることによって、カビが生えてきます。
カビは、アレルギーや喘息の原因となるので、早期に取り除くことが必要です。放置すると、健康被害の可能性が高まってしまいます。
雨漏りしていないか、家の中を点検することはなかなか無いかもしれませんが、明らかに壁に水漏れのような染みがあったり、カビくさいなと感じる部屋がある場合は、要注意ですので、専門業者に見てもらうようにしましょう。
雨漏りしそうな箇所がある場合は、台風が来る前に修理するのが1番ですが、できない場合は、雨漏りに備えてバケツ、ブルーシート、タオルや雑巾、養生テープなどを応急処置の為に用意しておくと良いでしょう。
屋根の上などの応急処置は、ご自身で行うのは絶対にやめてください。大怪我をする可能性もありますのでとても危険です。
専門の業者に、普段から定期的に点検やメンテナンスをしてもらうことが大切です。
また、台風による雨漏りは、火災保険に加入している場合、保険金が支払われる可能性が高いので、事前に内容を確認しておくようにしましょう。
台風の風向きに対して、東南方向を重点に備えることも良いですが、これから家を建てる予定のある方は風向きによる被害への対策も考えて、建てるのが良いと思います。
台風によっては、北西方向の被害が大きくなる場合もありますが、台風に限らず豪雨や暴風による被害を最小限に抑える為にも、備えは常にしておくようにしましょう。