日本には四季があり、一般的に9月から11月は秋となります。
ですが、近年の9月10月はまだまだ日中は暑い日も多く、秋をしっかりと感じられるようになるのは、10月の終わり頃くらいからという年が多くなってきました。9月から10月にかけては、秋雨前線の影響により天候が不安定な日も多く、そして台風の発生が多い時期でもあるため、長雨による水害や土砂崩れなどに気をつけなければならない季節でもあります。梅雨に続いて雨の多い季節ではありますが、東日本では、梅雨よりも秋の方が雨量が多くなります。
秋は、雨が降るごとに気温が1度ずつ下がると言われており、春の雨に比べるとどこか寂しい風情があります。
そんな秋と言えば何を思い浮かべますか?
日本には秋を使った言葉がいくつかあり、食欲の秋、収穫の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋など1つは耳にしたことがあるのではないでしょうか?
それぞれ なぜ秋と表現されるようになったのか、そのきっかけを探ってみますと、食欲の秋の由来については、さまざまな諸説があり本当のところはわかりませんが、1番有力だと思えるのは、日本では秋に旬を迎える食べ物が豊富であり、私たちの主食であるお米や、文字に秋が入っている秋刀魚や秋鮭、季節限定などで出回る味である栗やサツマイモ、果物ではブドウや梨や柿など美味しいものがたくさんあります。その為ついいつもより食欲が増してしまうことから食欲の秋と表現されるようになったようです。
収穫の秋も食欲の秋と同じで、秋に収穫できる食べ物が多いことからきていますが、少し違うところは、現代では1年を通して美味しい物を食べることが可能ですが、昔はそうではなく季節に応じて収穫できる物のみを食べることができました。季節によって収穫できる物の量には差があり、その中でも1番豊富に収穫できる季節が秋だったのです。秋に収穫できる食べ物は本当に美味しい物ばかりですし、栗やサツマイモを好きな女性は多いので、それらを使用したスイーツなど楽しみも増えるかと思います。
スポーツの秋は、1964年に開催された東京オリンピックの開会式が10月10日に行われ、その日が体育の日と制定されたことから、季節的にもスポーツをするのに適した季節ということで、運動会もこの時期に行われる所が多くなりました。ハッピーマンデーの制度により、2000年からは10月の第2月曜日が体育の日となりましたが、2020年からは名称がスポーツの日と変更されています。近年は地球温暖化の影響もあり、10月の半ば頃まで日中の気温が高いので、熱中症などの危険性を考え、5月に運動会を行う所も増えています。
読書の秋は、8〜9世紀の中国の韓愈(かんゆ)という文人の詩に「灯火親しむべし」という一節がありますが、涼しい風が吹く秋になり、過ごしやすい季節なので、ようやく明かりの下で読書を楽しむことができるという意味が込められています。
そして、日本の明治時代1908年に、夏目漱石が発表した三四郎という小説に、韓愈の詩を引用したことから、秋は読書をする季節という風潮が広がったと言われています。
芸術の秋は、写真や絵画に残すのに、とても綺麗な紅葉の季節であり過ごしやすい季節でもある秋が、作品などを制作するのに集中して取り組むことができることが理由なのかと思いがちだと思います。実は別の由来があり、1918年に新潮という雑誌の中で、美術の秋という記載があったことをきっかけに、芸術の秋と言われるようになったとされているのです。
近年では、紅葉の時期が平年よりだんだん遅くなっている傾向にあります。秋を感じられる期間が短くなり、一気に冷え込み冬へと季節が変わります。
色んな秋がありますが、あなたの中ではどの秋の印象が1番強いでしょうか。
気象庁によると、2022年の秋の気候は平年より高く、残暑が長引き暑さがなかなかおさまらないようです。
秋雨前線の影響が、10月にかけても続く恐れがあり、台風や大雨に警戒が必要となりそうです。雨が長引けば、住宅の雨漏りなどが起こる可能性も高くなりますので、台風シーズン前にはメンテナンスをすると良いでしょう。11月に入れば、雨が降るごとに気温も下がり一気に秋を感じられるようになるでしょう。台風や雨のイメージがある秋ですが、運動会や発表会などの子供の行事も多く、ハロウィンなどのイベントもあり、秋は楽しみなことが目白押しです。この時期だからこそたくさん食べられる秋の味覚も、思いっきり楽しみましょう。気温が下がり肌寒くなると、服装も一気に変わり、服選びの楽しみもでてきますので、ショッピングも楽しめるでしょう。雨の時期が過ぎれば、秋晴れの中の紅葉を見にお出かけをしたり、秋の味覚をたくさん使ったお弁当を持ってピクニックに行くのもオススメです。雨上がりの澄んだ秋の空気を存分に感じてみてください。