住宅などの外壁に、水のシミのような汚れが付いているのを見たことがありますか?
雨が外壁を伝ってできてしまうシミですが、雨だれと呼ばれるもので、単に雨のシミができて乾けば消えるというものではなく、外壁の経年劣化によって生じるものなのです。
雨だれがあるのと無いのとでは、外観の見え方が大きく違ってきます。美観も損なわれてしまいますし、せっかく素敵な建物であっても古びた印象を与えてしまいます。
新築の住宅の外壁は、水を弾く性質である撥水性があり、ホコリなどを含む雨水を弾くため、雨だれができることはほぼありません。
ですが、住宅を建てて年数が経つにつれ、外壁も経年劣化してしまい撥水性が失われていきます。雨水を弾かなくなると、雨水に含まれるホコリなどが外壁に付着し汚れのように跡が残ってしまうのです。汚れになるものは、ホコリの他に砂や泥、排気ガスなども原因に含まれます。
雨だれが発生しやすい場所としては、窓のサッシやベランダの手すりなどが挙げられます。
ホコリや汚れが溜まりやすいところを雨が伝って流れると、汚れを多く含んで流れるため、雨だれとして外壁に残ってしまいます。
そんな雨だれを予防する対策がいくつかあります。
雨水が外壁を伝うことなく流れるように、雨だれができそうな窓のサッシ周りなどに水が流れるルートを作る方法です。水切りがあれば、外壁を雨水から避けることができるため雨だれが発生しにくくなるでしょう。ですが、外壁の素材がモルタル壁の場合、窓のサッシ周りなどに関係なく、壁が凸凹しているため外壁全体が汚れやすくなります。汚れやすい外壁の場合、低汚染塗料を施すことをオススメします。塗膜表面の親水性を高めることで、雨だれ以外にも汚染物質が付着しにくくなり、さらに定着しにくくなります。そのため美観を長期間保つことに特化しています。交通量の多い所にある建物や住宅の場合、排気ガスが多いため外壁が黒ずんでくるので、モルタル壁に限らず外壁に低汚染塗料を使用するメリットはとても大きいです。
通常の塗料に比べると費用は高くなりますが、価格なりのメリットがあるので検討してみると良いと思います。
他に、これは雨だれを予防する根本的な解決方法とは言えませんが、外壁の塗装の色を汚れの目立ちにくい色にするという方法もあります。
汚れが付着するのを防げるわけではないので、築年数が経てば雨だれや汚れは付きますが、塗装の色によりそこまで美観を損ねずに済むでしょう。汚れが目立ちにくい外壁の色は、グレーや淡い色であるベージュやアイボリー、ブラウンやグリーン系です。その中でも人気色なのはグレーのようです。外壁の色は頻繁に変えることがないので、住宅を新築で建てる際は後悔のないようにとても悩むものだと思いますが、好きな色だけで決めるのは避けた方がよさそうですね。
外壁の雨だれや汚れをご自身で落とせないかなと考える方もいらっしゃると思います。
高い所は危険を伴うので、ご自身で行うのはオススメしませんが、届く範囲であれば中性洗剤で落とすことが可能です。どのご家庭にもある食器用洗剤が中性洗剤にあたります。使用する際の注意点としては、まず先に外壁の表面に付いているホコリなどを水で洗い流したあとに、ぬるま湯で薄めた中性洗剤を使用しスポンジで洗います。この時に外壁に傷がつく可能性があるので、強く擦りすぎないようにしてください。その後、きちんと洗剤が残ることのないように綺麗に水で洗い流し、乾いた雑巾などで水分を拭き取りましょう。
中性洗剤で汚れが落とせなかった場合、専用の外壁クリーナーがホームセンターなどで購入することができるので、試してみるのもよいですが、きちんと使用方法を調べた上で購入するようにしてください。
広範囲に汚れがある状態であったり、ご自身で落とせない場合などは、やはり専門の業者に依頼するのが1番よいかと思います。
ご自身で行うより費用はかかりますが、一般的な住宅であれば、全体で2〜4万円ほどできっと満足のいく仕上がりになることと思います。2階の外壁を行う際は足場が必要となるため、外壁塗装を汚れにくい低汚染塗料などに塗り替えることを考えてもよいかもしれません。業者によりますが、足場代は15万〜20万円と高額な金額がかかる為、1度の足場代で済ませられるように業者に相談してみてください。
雨だれは、できてしまうと勝手に消えることはなかなかありません。
1度気になってしまうと、何とか綺麗にしたいと思うものですよね。外壁をじっくりと見る機会は少ないと思いますので、少しの汚れであれば気付かないかもしれません。ですが、放置しておくと知らない間にどんどん汚れが広がっていく可能性もあるので、早めに気付き、汚れを除去する方がよいでしょう。
外観が綺麗になれば、新鮮な明るい気持ちで新たな暮らしがスタートできると思います。気になっている雨だれが綺麗になると良いですね。