昨今、自然エネルギーへの取り組みに、いっそう拍車がかかっています。
空地のあちこちに太陽光発電パネルが設置されて、私個人的には味気なくて、美的センスがないなあ~と思っていたり。住宅やビルの屋上に太陽光パネルが設置されているのを見ると、「売電か、いいな~」と羨ましい気持ちになったり。
個人住宅でも、太陽光発電システムを取り入れて、消費電力を賄うために、施工に費用を掛けて設置する方も多くなりました。売電で初期投資を抑える提案もあるため、より多くの方が自然エネルギーに目を向けるようになったのでしょう。
さて、屋根に太陽光パネルを載せるとどうなるのでしょうか?屋根への負荷は、雨漏りに繋がる、大きなトラブルを生むことがあります。
今回は、太陽光発電システムのトラブルについて、書いてみました。
太陽光発電の雨漏りトラブルが起こる原因
太陽光発電パネルを屋根に設置する時に、しっかりと施工していないと、雨漏りの大きな原因になってしまいます。
一般的な家屋は、瓦屋根かスレート屋根ですが、これらの屋根の一番下には、傾斜をつける「垂木」を等間隔で取り付けて、そこに屋根の基礎となる「野地板」を設置します。
野地板の上に雨漏りを防止する「防水シート」を敷き詰めてから、瓦やスレートなど屋根材を固定して屋根となります。防水シートは、浸入してきた水を排出するためのものです。
太陽光パネルを垂木に止める時、野地板や防水シートに穴を開けてビスを取りつける「直打ち工法」が用いられます。適切ではない場所に穴を開けたり、取り付け後の防水加工をしっかりと行わないことで、雨漏りを誘発してしまいます。防水シートより雨漏り防止に大きな役割を持っているのが屋根材です。太陽光パネルを設置する時に、瓦を動かした後の戻し方が悪くズレが生じていると、雨漏りの原因につながります。
また、小さすぎる屋根、構造が入り組んでいる屋根、劣化が激しい屋根などは、太陽光パネルが設置できないこともあります。このような屋根に無理をして太陽光パネルを設置すると、不備が生じて雨漏りにつながるケースが少なくありません。
施工の不備の多くは、施工会社の技術の未熟さによって起こります。
雨漏りは、太陽光発電設置後、数年経過してから発生することもあるので、注意が必要です。
太陽光発電の雨漏りトラブルを防ぐには
太陽光発電の設置は、大きな先行投資になります。多額のお金を投じるのですから、トラブルなど起きてほしくないですよね。未然にトラブル回避の対策を取りましょう。
【信頼できる施工会社に依頼する】
太陽光パネルの設置を決めたら、信頼できる施工会社を選びましょう。
十分な実績があり、雨漏りのリスクを承知したうえで、それを防ぐノウハウを持っている業者が理想的です。太陽光パネルの設置に不向きな屋根であっても、安易に受注して施工し、結果不備が生じるケースもあります。事前に十分な調査を行い、向き不向きを伝えて、適切な工事の提案や説明に十分な時間を取ってくれる施工会社を選びましょう。
【保証内容を確認する】
太陽光パネル設置は、基本的に施工が原因となる不具合は保証されませんが、雨漏りについて保証を付けているメーカーもあります。施工会社が雨漏りやその他の瑕疵について、補償してくれるのか、しっかりと確認をするようにしましょう。
もちろん、口約束ではなく、書面で保証内容を確認します。
【屋根に穴を開けない工事方法】
太陽光パネルを屋根に取りつける方法として、直打ち工法以外に屋根に穴を開けない工法もあります。キャッチ法、シンプリレイ工法、支持瓦工法などで、工事費が割高になりますが、施工後の雨漏りのリスクを軽減できます。
【設置後の定期点検を欠かさない】
定期点検やメンテナンスを欠かさないことも重要です。施工会社によって、点検回数や無償メンテナンスなど、契約内容が異なります。有償でのメンテナンスには、雨漏り以外に太陽光パネルの洗浄がセットになっているものも多くあります。
施工会社の万が一の事態を想定して、メンテナンス専門業者と別途契約する方法もある事を念頭において、欠かさず点検するようにしましょう。
信頼できる施工業者を選ぶポイント
太陽光発電メーカーは自社の認めた設置業者に、「販売ID」と「施工ID」を発行しています。施工会社を選ぶときは、正規資格を持っていることを確認しましょう。
複数のメーカーIDを所持した業者ならば、より柔軟に対応してくれると考えられます。
「信頼できる施工会社」を選ぶのは、簡単ではありませんが、優秀な業者であれば、質問に分かりやすく答えてくれます。工事の依頼を受ける時、実際の家屋や屋根の診断をしてから見積書を出すかどうかもポイントになります。営業マンだけが先行して金額提示してくる場合は要注意です。
分かりやすい図面、個別項目の費用提示、詳細な見積書を提出してくる業者は、信頼度が高いと言えます。
太陽光発電を設置の雨漏りリスクを回避するには、信頼できる優良な施工会社を選ぶことが最重要になります。
まとめ
新築戸建てに太陽光パネルを設置しているのを見ると、羨ましくなってしまいます。
雨漏りリスクは一番気になりますが、現在の製品は、以前よりも薄く、軽く、安全性をより追及しているようです。太陽光パネルが品質向上しても、やはり設置する屋根への負担はゼロにはなりません。安心して屋根への設置をお願いするには、ユーザーである私達も賢い消費者、悪徳業者に騙されない、屋根への負担や施工の是非を、正しく教えてくれる業者選びを、心がけたいですね。