空から雨や雪などが降りますが、どのようにして降るのか考えたことはありますか?
普段なかなか疑問に思うこともないですよね。どんな風に降るのか知ると、今までとは違った目線で雨や雪を感じられるかもしれません。そんな雨や雪が降る仕組みを見ていきたいと思います。
雨が降る仕組み、雪が降る仕組みは異なるようで基本的には同じです。
では何が違うのでしょうか。
雨と雪の違いは、雲から地面に近づいてくるまでの気温の高さに違いがあります。
まず、雲は綿菓子のような霧のような、または煙の塊かなと想像しがちですが、空に浮かんでいる曇は、大気中の水蒸気が空へと上昇するにつれ、雲粒という水滴や氷晶という氷の結晶に変化し雲になるのです。
それらが大きくなると重くなり、空から地上へ落ちていきます。それが雨や雪というわけです。
日本では、真夏以外の上空は氷点下になっていることが多く、年間を通してほとんどの雲は氷の結晶でできているという事になります。
なので、雨でも雪でも地上への落ち始めは雪なのです。
雨が降るときは、それが地上の温度により溶け雨へと変化しています。
では、雲がなければ雨も雪も降らないということになりますが、雲ができるのはどんなときなのでしょうか。
暖かい空気である温暖前線と、冷たい空気である寒冷前線とがぶつかるとどうなるかと言うと、2つの前線は決して混じり合うことはなく、暖かい空気は逃げるように上へ上がります。その空気に含まれる水蒸気が冷やされ雲になるというわけです。
他には、風と風がぶつかり空気が上昇したり、空気は暖かくなると軽くなるため、温度が上がるほど上へ上昇します。
こういった様々な現象により、空気が上へ上昇することで雲はできます。
雨雲というと何色を想像しますか?
灰色だったり黒色の雲を想像しますよね。
では何故、雨雲は黒くなるのでしょう。
実は、雲の色が変化しているわけではなく、私たちに見えている色が変化しており、それは雲になる水滴や氷の結晶が増えて分厚い雲になることで、太陽の光を通さなくなり黒く見えているのです。水滴を多く含んでいるので雲が黒く見える時は雨が降りやすいのは間違いないですね。
ここまでで、雨の降るメカニズムはわかったと思いますが、これらのメカニズムで降る雨は冷たい雨なのに対して、雨は雨でも暖かい雨が降ることがあります。
その場合の雲粒は、凝結核(主成分は NaCl )を芯にしてできており、まわりにある水蒸気を吸収しやすいため重くなるスピードが早く、低い位置で落ち始めてしまいます。氷晶に変化することなく落ちるので暖かいというわけです。この雨は、大粒であることが多く、雲粒同士がくっつき合うため大きくなってしまいます。この雨は熱帯地方で多く見られますが、時には日本でも見られる雨です。
わたしたちが暮らしている日本は、世界の国々に比べて雨の多い国です。日本列島の中でも紀伊半島の尾鷲ではものすごく雨が降ります。年間降水量が 4000mm を超えており、これは熱帯地方の雨の多い地域と変わらないほどです。
梅雨には雨が続き、夏から秋にかけては台風により大雨が降ります。冬になり気温が一気に下がると、雪が降ります。
ですが、雪を見られる地域は日本列島全体ではないですよね。日本海側では気温が2〜3℃以下、太平洋側では1〜2℃以下で雪が降るといわれているのですが、豪雪地帯は日本海側に集中しています。それは、冬に吹く冷たい北西季節風に原因があります。日本海は北西季節風よりも温度が高く、水蒸気がたくさん上がり、それらが風に乗り日本の中央に連なる山にぶつかり上昇するため、大量の雪雲が発生するのです。
雨や雪が降る仕組み、いかがでしたか?
空から水が降ってくるのは不思議ですよね。
季節によって雨の降り方は違いますし、日本海側か太平洋側か、または東日本と西日本でも大きく違ったりします。
梅雨や、梅雨が終わったあとの夏の終わりにかけてはバケツをひっくり返したような雨が降ることもありますよね。台風でもたくさんの雨が降ります。そして冬になれば気温が下がり雨だけではなく、雪が降ります。
日本の天気の変化は、大きな空気のかたまりである気団によって変化しており、日本のまわりには4つの気団があります。
シベリア気団は、シベリア地方にある気団であり、冷たく乾いています。
揚子江気団は、中国南東部にある気団で、暖かく乾いています。
オホーツク海気団は、オホーツク海にある気団で、冷たく湿っています。
小笠原気団は、小笠原諸島の近海にある気団で暖かく湿っています。
これらの気団により、前線ができやすく雨が多く降るわけです。気団と気団の境目では、季節によって気候が大きく変化し、天気も変わります。
雪に関しても、日本海側だけでなく太平洋側でも大雪が降ることもあります。低気圧が日本の南側を通ることがあり、その低気圧が太平洋から大量の湿った空気を引き込むことで、大雪が降るというわけです。
地球温暖化にともない今までとは異なる天気の変化が起こるかもしれないので大雨大雪には注意しましょう。