住宅を下から見上げた際に、屋根の突き出た部分の裏側やベランダの下などが見えると思いますが、その部分を軒天と呼びます。軒天の呼び方は、他に軒裏や軒天ボード、軒先、上げ裏、軒天井、軒裏天井などがあります。
この軒天の部分がシミになっているのを見たことはありますか?
シミがあると気になると思いますが、汚れなのか雨漏りなのかわからないですよね。
軒の役割は、外壁に直接雨が当たってダメージを受けにくくする傘のような役割を持っています。家を長持ちさせるには、軒先の長さが重要で、長さが短いまたは全く軒先が無い建物は、雨漏りしやすいということがわかっています。そんな大切な軒の裏である軒天がダメージを受けているとなると心配です。
では何故、裏側である軒天が濡れていたりシミができてしまっているのでしょうか。原因として考えられるのは、台風などの強風による雨の吹き返しであったり何らかの屋根の不具合などが考えられます。経年劣化により軒天に起こる不具合を見ていきましょう。
劣化の1つとして、塗装の剥がれがあります。
日頃の雨や風や紫外線、避けられない自然災害などにより経年劣化は必ず起きますが、劣化だけが原因ではない場合もあります。塗装が施行不良であった場合などは早期に剥がれてくることもあるので、新築で剥がれなどが起きた場合は施行不良の可能性が大きいと言えるでしょう。
次に色あせが見られることもあります。
紫外線の反射により色あせが起こりますが、この色あせに関しては放置しても問題はないのですが、見栄えが悪くなるので劣化したのを丸見えにしている状態ということになり、気になる人にはあまり良い印象は与えないでしょう。塗り直すことで見栄えも綺麗になります。
雨水に濡れた状態が続くことで、腐ってカビが生えてしまい腐食が進むことがあります。
こういった状態になってしまうと、見栄えどころか軒天の強度も弱くなり、軒天の材料が割れて落下してしまう恐れもあるため早急な修復作業が必要となります。腐食が進む前に専門の業者に見てもらうことをオススメします。軒天の傷んだ所が割れ隙間などができると、そこに鳥が巣を作ってしまう場合もあります。鳥が住みついてしまうと、卵を産んだりヒナがかえったり、鳥の糞が落下して汚くなる恐れもあります。衛生上にもよくありませんので、隙間や割れを見つけたら早急に修復してもらいましょう。
そして次に、軒天は雨染みができにくい構造で作られているものの、絶対にできないわけではなく何らかの原因により雨染みができることがあります。
下から見上げると気になるシミ。これが初めに言ったように汚れなのか雨染みなのかを判断するには専門の業者に見てもらうしかありません。雨染みが1箇所に固まってできている場合は雨漏りの可能性もあります。放置しておくとシミから腐食へと繋がって修復費用も大きくかかってしまうため、早めの対処が必要となります。雨染みが室内へ続く天井や壁の内側などに広がってしまうと、室内へ雨漏りが発生してしまう可能性もゼロではありませんので注意が必要です。
軒天は、日ごろ紫外線や雨風の影響を直接受けてしまうところです。
どうしても経年劣化は免れることができず、不具合があれば早期に対処することが大切です。10年に1度は点検するようにしましょう。
きちんとメンテナンスをすることで不具合があった場合は早期発見することができますし、費用に関しても最小限に抑えることができるでしょう。
日頃から軒天を下から見上げるということもあまりないかとは思いますが、外壁などと同じように定期的に点検とメンテナンスをし、安心な暮らしを続けましょう。軒天はとても大きな役割を果たしているので、劣化症状を見逃さないことが大切ですし、症状が軽度であれば修繕費用も少なく済ませることも可能です。
またベランダの軒天にシミがある場合は、そんなに酷いシミじゃない場合でも、ベランダの何処かから雨漏りが発生している場合が考えられます。
ベランダの排水口付近であったり床や笠木、外壁などからの雨漏りが疑わしいですが、ベランダには雨漏り箇所になりうる所が多いので、これは専門の業者に依頼し散水調査をしてみないとはっきりとは特定できません。シミになっている所を剥がしてみると軒天の中はシミの程度よりはるかに腐食などが進行している場合があるので早めに気付くことが1番です。腐食の進みが大きいと柱にまで影響が及び、大きな修繕費用がかかってしまうので注意が必要です。ベランダはゴミなども溜まってしまったり、排水口が詰まっていたりすると水が溜まりやすくなってしまいます。床部分にキレツなどは無いかやはり日頃からお住まいのチェックは必要だということです。素人ですと薄いシミくらいでは気付きにくいことが多いので、大切なお住いを守るためにも定期的な点検を受けるようにしましょう。