屋上を雨漏りなどから守るために、防水工事をしようかと考えるお宅も多いと思います。
すでに防水加工済みで、経年劣化により剥がれてきている場合は、ひび割れなどの部分から雨水が侵入し、さらに経年劣化が進み腐食が始まってる可能性もあります。防水機能が低下している上に見た目も良くないため、再度防水工事を考えるでしょう。その際に、何を基準に業者を選ぶと良いのでしょうか。注意点を事前に理解しておくことが重要です。屋上に不向きな方法で防水工事を施工してしまうと、効果が発揮せず防水機能がきちんと働いてくれないおそれもあり、施工不良ということになってしまいます。
まず防水工事には、いろいろな工法があります。
主にアスファルト防水、塩化ビニール系や合成ゴム系のシート防水、ウレタン防水、FRP防水などの塗膜防水があります。
耐久年数は10年〜25年くらいとさまざまです。業者に依頼する際に、防水工事についてご自身に知識がなければ全て業者任せということになるかと思いますが、費用が高ければ良いというわけでもなく、耐久性や性能に加え施工技術はもちろんのこと、業者の対応やアフターフォローがきちんとあるかも重要なポイントです。きちんと見極めて、予算に合わせて無理のない範囲で依頼をするようにしましょう。
ここでそれぞれの防水加工の特徴を見ていきましょう。
アスファルト防水の特徴は、防水シートの上にコンクリートを敷く施工方法で、耐用年数が15〜25年ととても長く、メンテナンス費用がほぼかからないのが大きなメリットです。コンクリートで重量が大きいため、住宅によっては重さに耐えきれない可能性もあります。費用は高めですが、長い目で見ると耐用年数も長く防水機能も高いため、住宅ではなく会社のビルや施設などに向いています。
最も耐久性があるのはアスファルト防水ですが、一般の住宅では、アスファルト防水はあまり使用されていないのが現状です。
塩化ビニールシート防水は、一般の住宅でも使用されています。
耐久性・利便性・費用ともに優れていると言えるでしょう。平らな面であれば使用することが可能であり、シートを貼り付ける施工であるため、比較的早く施行が終わります。耐用年数がウレタン防水よりも高い傾向にあります。
ウレタン防水は、ウレタン防水材を塗り重ね、固めることで防水性能を高めます。
ほかと比べると施工費用が安めですが、防水性能に加えて紫外線も防げるほど性能が高いのがメリットと言えます。一般的な住宅の屋上にも、年数が経過している建物や木造住宅でも問題なく施工できます。完全に硬化させることが必要ですので、冬場は施工期間が長めになることや、こまめなメンテナンスが必要となることがデメリットかもしれません。
FRP防水は、ベランダで多く使用されています。
防水性と耐熱性、耐久性に優れており、硬化速度もはやく施行期間が1〜2日と短めです。軽量のため建物への負担が軽減でき、腐食しにくく風などの影響にも強いですが、揺れなどでひび割れを起こしやすいのが難点です。
防水工事を依頼する業者を選ぶ際、どこの業者にお願いするのが良いのか迷ってしまうと思いますが、防水業者か塗装業者なのか、もしくはリフォーム会社やハウスメーカーなのか、それぞれメリットデメリットはあると思いますが、いずれにせよ見積もりを出してもらい、担当者の対応や施行実践、防水施工技士の資格保有者がいるか、建築許可番号が登録されているかも判断材料のひとつとなり大事なポイントです。
防水工事をしたら終了ではなく、アフターフォローが充実している業者なのかもきちんと確認しましょう。安心して依頼できる優良業者を見つけることが防水効果や耐久性にも影響します。
施工作業の重要な手順としては、既存の防水加工のひび割れや剥がれなどがある場合は、表面をきちんと綺麗に除去し、その上で下地処理をすることが重要です。下地処理が正しく施されていないと、施工したとしても防水機能や耐久性が保てない可能性がでてきます。きちんとした作業工程、正しい施工方法や高い施工技術により仕上がりが変わってきますので、覚えておいて損はないと思います。
屋上の防水工事は、防水加工の種類を選ぶことで大きく仕上がりが異なりますが、依頼する業者選びが最も重要かもしれません。
お安い費用ではないため慎重になる必要があります。
また、防水加工をした屋上を使用する上で、注意する点をいくつかあげますと、防水層は可燃性なので、花火やバーベキューなどの火気は厳禁です。その点は十分な注意が必要となることを忘れないようにしてください。
屋上の雨漏りに関しては防水工事業者ではなく、雨漏り専門の修理業者に依頼することが必要なため、別の工事となります。
防水工事をお考えで雨漏りも気になる場合は、先に雨漏りを修復してから防水工事業者に依頼するようにしましょう。