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二十四節気ー清明、穀雨について

日本には二十四節気(にじゅうしせっき)という季節を細かく分割した名前があり、その中でも立春、春分、夏至、冬至など、今でも季節を表す名前として多くの場面で用いられています。

日本の1年は、大きく春夏秋冬の4つの季節に分けられていますが、それぞれを細かく6つに分けたものが二十四節気となり、毎年同じ日付けというわけではなく、その年によって1日程度前後することがあります。春は立春から始まり、例年2月4日頃からとされています。

次に雨水(うすい)は2月19日頃から、啓蟄(けいちつ)は3月5日頃から、春分(しゅんぶん)は3月21日頃から、清明(せいめい)は4月5日頃から、そして春の最後となる穀雨(こくう)は4月20日頃からとなります。

その中の5番目にあたるのが清明です。清明は清浄明潔(せいじょうめいけつ)を略した季語といわれています。春のあたたかな日差しや爽やかな風を受けて、花が綺麗な花びらを咲かせ、蝶などが楽しそうに舞い、澄んだ空の色、清々しく過ごしやすいのが清明の時期です。この時期の春の訪れを運んでくる風は清明風と呼ばれています。

タケノコ掘りやいちご狩りなどの春の味覚も盛んになり、食の楽しみも増える頃です。

清らかで明るいと書かれる文字通り、曇りのない言葉である清明は、2023年は4月5日(水)〜4月19日(水)です。沖縄ではシーミーという清明祭があり、お墓の前に親族が集まり、掃除やお重などを供えた後、皆で宴会をするという習慣があるそうです。清明祭 (シーミー)は中国から伝わっており、中華圏では毎年4月5日頃は清明節と呼ばれる祝日になっており、日本でいうお盆のような行事を行うようです。他に、日本全国のお寺では、4月8日に花祭りというものが開催されている所が多いです。旧暦の4月8日はお釈迦様の誕生日ということで、灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(こうたんえ)などとも呼ばれます。
花で飾った花御堂(はなみどう)を作り、参拝客は誕生仏に柄杓(ひしゃく)で甘茶をかけて、お釈迦様の誕生を祝う催しが行われます。

そして清明の後、二十四節気の6番目にあたるのが穀雨です。

例年4月20日頃から5月4日頃までとされ、穀雨の後は立夏であることから、穀雨の終わり頃からは夏が近づいているのがわかる季節となってきます。
清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなるという言葉があるように、不安定だった天候も安定し、春から夏へ変わる前段階の日差しが強くなっていく頃でもあります。
穀雨とは、雨降って百穀を潤すという言葉が語源であり、字のごとく穀物に降り注ぐ雨、米農家やお茶農家などにとってとても大事な時期です。

穀雨の終わりに訪れる八十八夜の八十八を組み合わせると米という文字になることから、穀雨の雨が降る前に種まきや田植えを終わらせ、穀雨の恵の雨を受けると良いと考えられてきました。

農作業に縁起が良いとされてきた穀雨を目安に、昔の人は農作業を行っていました。

また、この時期の雨は百殻春雨(ひゃくこくはるさめ)とも呼ばれており、穀物にとって重要視されていたことが伺えます。2023年の穀雨は、4月20日(木)〜5月5日(金)となります。種まきや田植えの時期以外に、チューリップや牡丹、藤などの花が綺麗な時期でもあります。そして、清明と同じくこの時期の春の味覚と言えばタケノコです。タケノコご飯やお吸い物、中華料理では八宝菜やチンジャオロースなどに用いられています。旬の時期が短い春野菜であるタケノコを楽しめる季節でもあります。

春の最後の二十四節気である穀雨は、夏へと移り変わる季節の変化が訪れる頃であるため、暑さが強くなる前の過ごしやすい季節である清明から穀雨は、家族でのピクニックやお花見などの外の行事を楽しむことができるでしょう。

穀雨が終わり立夏となれば、暦の上では夏の始まりとなります。

また、二十四節気とは別に雑節(ざっせつ)と呼ばれるものがあります。二十四節気と同じく季節が変わっていく目安となる日にそれぞれ名前が付けられており、現在でも行事などが執り行われています。

社日(しゃにち)は、春分や秋分に最も近いとされる戊(つちのえ)の日です。

1年に2回あり、春のものを春社と言って種まきをし豊作を祈り、秋のものを秋社と言って収穫の時期にあたるため穀物を刈り取り、土の神様を祭ります。社日を祝う習慣は中国から日本に伝えられました。重要な農耕儀礼として広まっています。

節分(せつぶん)は、元は立春、立夏、立秋、立冬の前日のことをいい、年に4回ありましたが、立春の前日の節分が重要視されるようになり、新年を迎えるための邪気祓い行事として浸透しています。

彼岸(ひがん)は、春分と秋分を中日とした前後の3日ずつの計7日のことをいいます。春は春彼岸、秋は秋彼岸といい、初日を彼岸入り、当日を彼岸の中日、終日を彼岸明けと呼びます。彼岸といえばお墓参りに行き、ご先祖さまに感謝する日となっています。

土用(どよう)立春、立夏、立秋、立冬の前18日間のことをいいます。

中国の陰陽五行説からきており、土公神(どくじん)が支配することから土を犯すことは忌むべきこととされてきました。日本では、うのつく食べ物である鰻や梅干し、うどんなどを食べて夏バテ防止をする風習があります。

八十八夜(はちじゅうはちや)は、立春から数えて88日目をいい、種まきや茶摘みの目安の日となっています。

入梅(にゅうばい)は、暦の上ではこの日から梅雨となります。実際は気象庁の発表が目安となっており、梅雨入りを入梅というのに対し、梅雨明けを出梅といいます。
半夏生(はんげしょう)は、夏至より10日後頃から七夕頃までとされています。田植えは夏至の後から半夏生に入る前に終わらせるものとされており、過ぎてしまうと秋の収穫が減るといわれてきました。この頃から梅雨明けとなります。

二百十日(にひゃくとおか) は、立春から数えて210日目の日で、毎年9月1日頃になります。

農産物に多大な影響を与える暴風雨が必ずあるとされてきました。
二百ニ十日(にひゃくはつか)立春から数えて220日目の日で二百十日と同じ意味を持ちます。台風の予測ができない時代は、旧暦8月1日の八朔(はっさく)と合わせて二百十日、二百ニ十日を農家の三大厄日として恐れており、無事を祈る祭りが執り行われていました。

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