一から考える注文住宅であっても建売であっても、住宅を購入するということは誰もが人生において一大決心のいるとても大きな買い物だと思います。
だからこそ色々悩みながら考え、お金をかける部分とコストを下げる部分が出てくる中で、少しでも費用を下げて購入できればと考える方は多いでしょう。
しかし、コストのことばかりに気がいき、本来大事な部分である所まで費用を下げたばかりに住み始めてから早期に雨漏りなどの不具合が起きるなど、その後の費用が嵩んでしまうことも考えられます。家は購入して終わりではなく、長く安心して住み続けるためのメンテナンスなども考えて購入する必要があります。大切なポイントは、ライフサイクルコストを見据えて考えることです。
ライフサイクルコストとは何なのでしょうか?
建築分野で用いられるライフサイクルコスト(Life cycle cost)とは、建築物・構造物の建設から建築、運用や売却、解体などにかかるすべての費用のことであり、生涯費用ともいいます。
ライフサイクルコストは、住み始めてから生活にかかる光熱費、安心安全に暮らしていくためのメンテナンス費用などのランニングコストと、建築費などにかかる購入費用であるイニシャルコストに分けられます。
住宅を購入する際に、ライフサイクルコストをどのように考えるかによって、この先の人生にかかるトータル費用が変わってくるのです。
購入した住宅に何年何十年と住むのか、今後の生活スタイルなどを想定した上で考えることが、後悔のない大きな買い物の秘訣だと思います。どうしても形あるものの目に見える費用ばかりに気が行きがちですが、目に見えない想定の費用がとても重要なのです。
例えば、先のことはさておき、住宅の購入費用をなるべく安くしたいと考える場合、建築費を抑えるまたは低コストで建てられた建売を購入することになると思います。
逆に、購入費用は高くなりますが、デザイン性や利便性、耐久性や断熱性などにこだわった家が良いと考え購入した場合、2つを比較してみると、費用を抑えて購入した方がとてもお得に感じるのは当然ですが、住み始めてから先のライフサイクルコストを考えてみると、費用はかかっても色々こだわった家の方が光熱費や経年劣化による修繕費が抑えられることが考えられます。
初期費用は安く抑えられても、長年のトータルでは費用がかかった家より金額が上回るということもあるのです。たとえ購入費用が安く済んだとしても、日々暮らしていくための光熱費やメンテナンス費用にお金がかかってしまっては、暮らしづらい家となってしまいます。ライフサイクルコストを考えた上で、暮らしやすい生活と安心安全に住み続けられる家を建設または購入することが、後悔の少ない結果へと導くコツでしょう。
ランニングコストに目を向け、省エネ住宅にすることを考えよう。
家は購入して終わりではなく、住み始めると生活には水道・光熱費が必ずかかってきます。近年は特に電気代の高騰により節電が当たり前になっており、省エネ住宅であることは家計の大きな助けに繋がります。月々で見ると大きな差はなくても、年数が経つにつれて少しの差の積み重ねがものすごく大きな金額の差となってくるのです。
光熱費を抑えるには夏は涼しく冬は暖かい家であることが必要です。そのためには気密性・断熱性などの性能が高い家にすることが、冷暖房費用に大きく影響してきます。
まだ見えないメンテナンス費用を想定して考えよう。
家は購入した当初のまま何も変わらず住み続けることは不可能です。経年劣化や老朽化などの必ず起こるものの他に、自然災害による破損などの予期せぬ不具合は何が起こるかわからないものです。
それを踏まえた上である程度のまとまった費用が必要となることを想定し、計画的に積み立てをしておくことが大切です。建材や部材の種類によって、ある程度のメンテナンス期間が定められていますが、初期費用はかかっても耐久性に優れたものを選ぶことでメンテナンス期間を長くすることや、メンテナンスいらずの素材を選ぶというのも費用を抑えるポイントです。
せっかく戸建てを購入したのであれば、快適に長く住み続けられる家であることが理想だと思います。早期に劣化する可能性があるかどうかは、豊富な知識と経験を持つ業者でなければわからないこともあります。気付かぬうちに雨漏りが起きていたということになれば、カビが生え腐食が進むと、膨大な修繕費用がかかるということになりかねません。そうなれば購入費用を抑えた意味が全くありません。ライフサイクルコストを想定し、高性能な家を購入することで、住み始めてから先の長い人生を快適なものにしましょう。家を建てる家を購入するということは、一大決心のいることですので信頼と実績のある業者が建てる家であることもとても重要ですが、御自身が納得がいくかどうか、後悔がないことが1番大切だと考えます。