結露というと、1年を通して冬に起きるイメージが強いのではないでしょうか?
雨漏りが発生したが、何故雨漏りが起きているのかわからないという場合、その原因が夏型結露であったという雨漏りが多く発生しています。夏型結露とは何なのか、その原因と対策を見ていきたいと思います。
そもそも結露は何故起きてしまうのでしょうか。
空気中の水蒸気は、温度によって空気中に含むことができる量が変わります。この量を飽和水蒸気量と言いますが、温度が下がると飽和水蒸気量が減るため、空気中に含めなくなった水蒸気は水滴となって現れます。これが結露であり、水滴ができ始める温度のことを露点と言います。
結露には、 発生する場所により表面結露と内部結露、 季節に応じて冬型結露と夏型結露 にわけられます。
しかし、夏型結露は夏型という名前ですが、地域によって気温は様々ですので、春〜夏〜秋ごろまで見られる現象です。となると、結露は冬だけではなく、一年中発生する可能性があり住宅にダメージを与える要因になることになります。
冬型結露と夏型結露の違いは、冬は外気温が低く、窓ガラスの温度も低くなりますが、冬の室内は暖かくしている家庭がほとんどです。その時、室内の温度と窓ガラスの表面で温度差ができ、結露ができます。これが冬型結露です。
夏型結露は、冬とは反対に夏は外気温が高く、室内は涼しくしている場合にできる結露のことです。近年は地球温暖化により、真夏になると外気温は35°C〜40℃と高温になるため、室内は冷房無しでは厳しい状況となります。外から帰宅した際などは一気に室内の気温を下げると思いますが、そういった時に外気温と室内の温度差が大きくなると思います。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができますが、室内の気温が下がったことで、含むことのできなくなった水蒸気が結露となって空気中からでてくるというわけです。
冷たいものを飲む時など、コップやペットボトルの表面に水滴が現れることがよくあると思います。これも同じ現象です。
窓ガラスなどの目に見えるところに発生する結露は表面結露とも呼びますが、建物の内部である目に見えない壁と壁の間や床下、屋根裏などに発生する結露は内部結露と呼びます。
この内部結露は、表面結露と比べると発見するのが難しく、雨漏りなどが発生して初めて気付くことが多く、その時には深刻な被害になっていることもあるため、とても厄介な存在です。
内部結露は夏に起きやすいですが、実は冬にも起きます。ですが、冬の窓の結露などは放置している方は少ないと思いますので、湿気対策がしやすいので防ぐことができるでしょう。
近年の住宅は高気密で建てられているため、室内と外との温度差が大きくなってしまうので、このことが結露を発生しやすくしています。
暖かい時期である夏には、梅雨や不安定な天気の日が多く、湿気がこもりやすいので内部結露が発生してしまう可能性が大きくなります。
この内部結露はどういったことを起こすのかというと、表面結露と違いなかなか発生しにくいため、内部結露は放置されている状態になります。そうすると、建物の構造部材や壁や床を湿らせ、その状態が続くことで腐っていきます。内部を水が通り、雨漏りのように表面に出てくることがあります。そこで初めて内部結露に気付くという場合が多いのです。夏に起こりやすいため、原因不明である夏の雨漏りは夏型結露の可能性が高いです。
では、どうしたらいいのでしょうか。
まずはご自身でできる対策から見ていきましょう。
湿気が多いと知らぬ間に窓際や壁やカーテンなどにカビが生えていることがあります。健康にも害を与えるものですので、結露が発生した場合はとにかく拭き取ること。放置は絶対にやめましょう。
湿気を取り除く工夫が必要なので、窓を開けて換気をしたり、扇風機やサーキュレーターを使って湿気を逃がすようにしましょう。除湿機があれば使用し、湿度をあげないようにすることが大事です。
ですが、日本の夏は湿気が多くジメジメしているので、簡単には取り除けないためエアコンなどを活用するのが良いでしょう。
観葉植物や水槽などを置いているご家庭では、湿度が上がる傾向にあるので、量をたくさん置くのはやめましょう。また、室内干しをしている場合は湿気がこもりやすいので、換気扇や除湿機、家電製品などを上手く利用し、室内の湿度を逃がす対策が必要です。
冬は逆に乾燥するので、加湿器や植物は良いかと思いますが、過剰に使用したり設置すると逆効果となり、冬でも内部結露の原因となってしまう場合があるため注意が必要です。
結露対策は、露点温度にしなければ結露は発生しないわけですが、実際なかなか難しいのが現状です。建物の構造や結露しにくい材料を使用することがカギとなってきます。
原因のわからない雨漏りが発生した場合、夏型結露を疑って早めのメンテナンスをしてください。