戸建ての家を建てる際、内装にこだわりを持つ方は多いと思いますが、住宅にとって外観もとても大切ですよね。
屋根には様々な形状や屋根材がありますが、それぞれが違った特徴を持っています。使用されることの多い屋根材には、粘土・セメント・コンクリートで作られた瓦や、セメントや石を板状にした化粧・天然ストレート、トタンやアスファルトなどがあります。その中でも、注文住宅以外の建物でも多く使用されているのがスレート屋根です。ストレート屋根にはどんな特徴があるのでしょうか。多く使用されている理由と、注意点を見ていきたいと思います。
ストレート屋根には、化粧ストレートと天然ストレートの2種類があります。
化粧ストレートは、人工的な素材のセメントを使用した屋根材で、天然ストレートは、天然素材である粘板岩を使用した屋根材となります。
ですが、天然ストレートは天然素材であることに加え、高い技術も必要なため、一般的な住宅で使用されることはほぼありません。
そのため、日本の住宅でストレート屋根というと、ほぼ化粧ストレートとなります。特徴としては、価格の低さや耐震性の強さ、素材の軽さから施工がしやすいといったことが挙げられます。カラーも豊富なので、希望の色を選べるのもメリットと言えます。
このことから、多くの屋根に使用されている理由がわかりますが、メリットだけではなく、デメリットをきちんと把握しておくこともとても大切です。
ストレート屋根の注意するべき点は、耐久性や防水性が弱いことです。
この2つが弱いとどうなるのかというと、住宅にとって大きな問題となる雨漏りが起こりやすい家となるということです。例えば、他の屋根材の瓦と比べた場合、瓦が10〜20mmなのに対してストレート屋根の厚みは5mmほどと薄く、軽量で扱いやすい反面、そのぶん割れやすくなってしまいます。
そして防水性ですが、そもそもストレート屋根の素材であるセメントには、防水性が備わっていません。そのため塗装をすることで防水性能を持たせているのです。しかし、その塗装にも寿命があるため、一度の塗装で永久的に防水性能を保つのは不可能となります。ストレート屋根の塗装の寿命はおよそ10〜15年となるため、年数の経過とともに点検を行い、必要であればメンテナンスをすることが大切です。
どんな屋根材であっても経年劣化は起こりますが、ストレート屋根の場合は特に注意しなければならない点があります。
塗装の剥がれはもちろんのこと、他に劣化や自然災害などによるヒビ割れ、屋根を固定するために打たれた釘穴に注意が必要です。
屋根の材質であるセメントは、防水性がない上に逆に水分を吸収しやすい性質を持っているため、塗装が剥がれれば屋根材が水分を吸収し、乾燥と吸収を繰り返すことで劣化します。
屋根材の劣化により下地の防水シートまで水分が到達すれば、下地の劣化に繋がり雨漏りが発生する恐れがあるのです。塗装が剥がれている屋根では、雨だけではなく雪にも注意が必要です。
積雪が多い地域でストレート屋根を使用することはほぼありませんが、積雪があまりない地域では、ストレート屋根に雪が積もり凍害が起これば雨漏りのリスクはものすごく高くなってしまいます。
自然災害というと台風や地震などがありますが、強風で飛来物が当たったり、地震の振動などでヒビ割れがしやすいのも薄さが原因です。
ヒビ割れが入ってしまうと、塗装の剥がれに関係なく雨水が染み込み、下地の防水性を劣化させてしまいます。
下地が劣化し破損してしまうと雨漏りが起こってしまいます。屋根のヒビ割れは、直接見ることが難しい場所であるからこそ専門業者による点検が欠かせないのです。そして屋根を固定するために使用される釘ですが、釘を打つということは穴があくため、釘がサビや劣化により緩んでしまうと当然隙間ができてしまいます。
その隙間から雨水が侵入すれば、釘は奥まで打ち込まれているため、確実に雨漏りは起こってしまいます。しかし、固定しなければ強風などで飛ばされてしまう恐れがあるため、大事な工程であるため業者の技術や実績が大きく影響する部分でもあります。
お住まいの屋根がストレート屋根の場合、このようにストレート屋根の弱い部分を知ると、雨漏りへの不安が募ってしまうと思います。
ですが、雨漏りに繋がってしまう根本的な原因となるのは、点検やメンテナンスを行うことなく何年もそのまま使用していることです。
屋根の場合、年数の経過とともにどの程度の劣化が進んでいるのかご自身で確かめるのは難しいものです。やはり目安となる耐用年数をもとに、きちんと点検を行い安心を得ることはとても大切なことなのです。雨漏りが起こってからでは遅いため、気になる方は早めに点検を行いましょう。