普段私たちが何気なく目にしている雨樋(あまどい)ですが、何も点検や修理をしないと建物全体の劣化につながってしまう大事な所です。
今回は雨樋についてしっかりその役割を解説します。あまり雨樋について関心がないと、雨漏りなど大規模な工事が必要になってから慌てて修理してしまうことになってしまいます。
雨樋は壊れてしまうポイントを押さえて定期的に日常点検を行えば、修理費用を安く抑えられる部分でもあります。
そこで雨漏り匠ナビでは意外と知らない雨樋の役割から壊れる原因と理由、修理にかかる費用を解説していきます。
雨樋(あまどい)の修理にかかる費用
雨樋修理では、壊れてしまった箇所を修理する部分修理と全体修理のどちらかが行われます。
また、足場の有無や交換部品の種類や廃材の処分費用によっても価格が左右されてきますので、おおよその目安となる費用を解説します。
もし詳細な費用を知りたい場合は、こちらの雨漏り匠ナビでお見積もりをいただけるとご案内することができます。
足場が必要のない部分修理のケース
脚立や梯子などを使い、安全に作業ができる範囲では足場は不要となります。
2万円~6万円
足場が必要な部分修理のケース
脚立や梯子などでは作業の安全性を十分に確保できない場合は足場が必要になります。
12万円~20万円
全体修理のケース
雨樋全体修理の場合は、ほとんどケースで足場の設置が必須となります。
25万円~60万円
足場の有無について
足場の設置費用に関しては、脚立などでも作業ができる一階や、ベランダなどから手が届く位置にある雨どいであれば不要になることもあります。
しかし、1階部分でも足場が不安定な所や作業に危険が伴う場所、2階以上の雨樋を交換する場合などでは、必ず足場を用意します。
そのため雨樋修理に足場の設置工事と解体工事の代金も加算される事があります。
雨樋修理を安く済ませるには?
雨樋の修理は、火災保険が適用される事があります。
例えば、台風や豪雪などで雨樋が壊れると、火災保険の適用される可能性があり、保険会社が負担してくれます。
これは、風災補償、雪災補償というもので雹も含まれます。
この保険の利用によって安く修理をする事が出来ます。
もし火災保険に入っている場合は、保険会社で調べておく事をおすすめします。
また、雨樋は定期的に補修修理ぐらいのメンテナンスを行っておく事で
長持ち出来て、結果的に修理費用が安くすみます。
特に、落ち葉や泥などのゴミが入っていると、どんどん詰まりやすくなって
雨樋そのものの腐食の原因にも繋がってしまいます。
安く済ませるには定期的なメンテナンスが大切です。
意外と知らない雨樋の役割とは
そもそも雨樋は何のためにあるの?
あなたは屋根に取り付いている雨樋がどのような役割を果たしているかご存知でしょうか?
実は、雨樋には建物の外壁や基礎部分を雨水から守るという大切な役割があるのです。
もし雨樋で守られていないと、屋根から流れ落ちる雨水は地面を掘り下げてしまい水溜り形成してしまいます。そしてその水溜りが基礎部分を浸食していってしまうのです。
他にも外壁を雨水が伝うようになってくると、そこからヒビ割れや浸食が起きてしまい、雨漏りや腐食、シロアリの発生などの二次被害に発展する恐れがあります。
雨樋の構成
細かく分けるとたくさんのパーツに分かれている雨樋ですが、重要なのは次の3つのパーツと雨樋を固定する金具部分です。
軒樋(のきどい)
屋根から流れ落ちる雨水を受け止める場所になります。
ここに傾斜をつけることで、集水器に効率的に雨水が集まるようにしています。
集水器
軒樋から集められた雨水を竪どいへ流していくための分岐点になります。
竪樋(たてどい)
集水器から集められた雨水を排水管へと雨水を流し込む場所になります。
このような構成部品によって屋根から流れ落ちた雨水を雨樋が受け止めることで、家の外壁や基礎部分を守ってくれているのです。
雨樋が壊れる原因7選
雨樋は建物の外壁や基礎部分を雨水から守るという大切な役割があるのですが、日常的な点検を怠ってしまうと気づいた時には壊れてしまっている場所でもあります。
そうしたことを避ける為に、雨どいが壊れる原因7選をご紹介しますので日頃のお手入れなどの参考にしてくださいね。
なお日常点検は、建物の外部から目で見える範囲で1年に1回程度の頻度で行い、高所作業はご自身で行わず専門の業者にお願いしましょう。
特に、梅雨・台風前後や雪解けあとには目視点検することをお勧めいたします。
雨樋の詰まり・ゴミ
建物の周囲に樹木などが生えている場合や畑・グラウンドなど剥き出しの地面がある場合、雨どいには木の葉や土砂などが溜まり詰まってしまいます。
こうなってしまうと、雨水が意図しない流れや雨どいから溢れ出してしまい、雨漏りを引き起こしてしまう可能性を高めてしまいます。
雨樋の汚れ(カビ・コケなど)
雨樋に砂やゴミが堆積してくると、水捌けが悪い環境が整ってしまいますのでそこから藻やコケ、カビが発生してしまいます。
そうして増殖した藻やコケ、カビが屋根や外壁などを侵食していき、塗膜などを劣化させてしまいます。
強風・大雨
台風などの強風に見舞われた場合、雨樋が歪んでしまったり、結合部分が外れてしまったりと、直接ダメージを与えてしまいます。
他にも大雨であれば、大量に流れ込む雨水を受け止めきれずに破損してしまいます。
雪
降雪地域ですと雪下ろしをするので想像がつくと思うのですが、雪は氷の塊ですので意外と重量があります。
雨樋は雨水を受け止める役割ですので、そこまで重いものを支えきる力を持っていないため雪の重みで破損してしまいます。
傾斜がない or 急すぎる
軒樋(のきどい)は、集水器に効率的に雨水が集まるように傾斜がついています。
この傾斜がなかったり急すぎたりすると、雨水が溢れたり滞留してしまい意図した通りに流れなくなってしまいます。
金具が取れている
雨樋を支えているはずの金具自体が取れてしまっている場合、屋根から流れてくる雨水の負荷で雨樋が歪んでしまうなど、最悪の場合脱落してしまいます。
経年劣化
雨樋の耐久年数は材質や自然環境によって変わりますがおおよそ20~25年ほどと言われています。
この耐久年数に近づいてきますと、雨どい自体に腐食や穴などの破損が発生したり、つなぎ目の接着剥がれや金具のグラつきなどが起きてきます。
雨樋修理のポイント
雨樋は昨今の凶暴な台風などで突然壊れてしまったり、ゲリラ豪雨で漏れるようになったり、という事が多いです。
ただ雨樋修理はしっかりと施工してもらうと、20年は持ちますので良い業者をしっかりと選んでもらえればと思います。