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茅葺き屋根の葺き替えや費用、リフォームについて解説します。

2020年5月8日

茅葺屋根

今回は、茅葺き屋根について解説していきます。

・古民家のリノベーションに興味のある方
・古民家でお店を開業してみたい方
・茅葺き屋根の維持に悩んでいる方

上記にあてはまる方はぜひ目を通してもらえればと思います。

普段あまり見かけない茅葺き屋根の住宅ですが、古民家をリノベーションしたカフェが話題になるなど、安定した人気があります。古民家はビジネスでの利用はもちろん、住居としても住んでみたいというお話も増えています。

ただそんな古民家を見つけたとしても、茅葺き屋根となるとどうしてもメンテナンスの方法や費用などが気になるところです。

1回目の葺き替えはなんとか工面できたとしても、これから数十年住み続けることを考えるとその次を葺き替えることができなくて家屋の劣化を招いてしまうことも考えられます。

ですが、実は茅葺き屋根は金属屋根にリフォームすることで費用を抑えることができます。

そこで雨漏り匠ナビでは茅葺き屋根の特徴と現代で数少ない理由、そして金属屋根にリフォームする時のポイントなども解説していきます。

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茅葺き屋根の特徴

そもそも茅とは何か。

実は茅というのは植物の名称ではなく屋根材として使われる草の総称を指しています。

代表的なのは河原などで見かけるススキやアシといったイネ科の多年草ですね。

こうした茅で葺かれた茅葺き屋根は岐阜県の白川郷や福島県の大内宿、古民家といった歴史的建造物によく見られます。

茅葺き屋根の3つのメリット

茅葺き屋根が歴史的建造物でよく見られる理由として、次のような特性から古くから活用されてきました。

1 断熱性

茅葺き屋根が持つ優れた断熱性の正体は、イネ科植物が持つ中空の断面構造にあります。

この中空形状が空気層を保持してくれるので、茅一本いっぽんが断熱効果を発揮します。
そしてそれらが約40cm以上も積み重ねられることで優れた断熱性を持つようになるのです。

2 耐水性

一般的な稲藁などに比べて、イネ科植物は茎に油分が多く含まれます。
この油分があることで水を弾きやすく優れた耐水性を発揮するのです。

3 吸音性

茅葺き屋根の持つ吸音性の正体は、茅同士の隙間や内部を受け止めた雨水が傾斜に沿って伝って流れてくれる特性にあります。
その特性のお陰で金属屋根に比べて雨水から受ける茅葺き屋根の振動は弱く、屋内に音が届く前に振動が減衰してしまうのでとても静かなのです。

茅葺き屋根がなぜ雨漏りしないのか

茅葺き屋根が雨漏りしないのは、先ほど紹介した特性と屋根構造にあります。
茅葺き屋根に浸透した雨水は、茅同士の隙間や内部を屋根の傾斜に従って流れていきます。

この時、茅同士の厚みが薄いとすぐ屋内に浸透して雨漏りを起こしてしまいますが、
何層も積み重ねて厚みを持たせることで、屋内に届く前に外に排水してしまうのです。

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茅葺き屋根が数少ない理由

こうした優れた特性を持つ茅葺き屋根ですが、残念ながら良い面ばかりではありません。

消費サイクルが成り立っていたからこその普及が前提にあるので、
瓦屋根や金属屋根が一般的になってきた現代だからこそ数を減らしてしまったのです。

そのため現代でその茅葺き屋根を維持しようとなると、どうしても高額になるのは避けられないのです。
次はそんな茅葺き屋根が数少ない理由をご紹介いたします。

管理された茅場が希少になった

昔は田畑ができない土地を茅場として使い、毎年数件ずつ葺き替えができるように共同管理していました。

しかし時代の移ろいと共に生活様式が変化していくと、茅は次第に利用されなくなり管理された茅場の数が減少していきました。
もし茅葺き屋根の葺き替えを行うのであれば、屋根に使用する茅も大量に必要であるので必要量を購入しなければなりません。

葺き替えには沢山の人手が必要

ある集落内の多くが茅葺き屋根だった頃は、集落の人が総出で屋根の葺き替えを手伝う「結い」と言う風習がありました。

この「結い」に参加していれば、他の家の葺き替えを手伝う代わりに、
数年に一度は自分の屋根の葺き替えを手伝ってもらう相互扶助の関係が成立していました。
しかし現代では専門の業者に依頼する他ないため、人件費などのコストがかかってしまいます。

下された大量の茅の処分にもお金がかかる

昔は屋根の役目を終えた茅は肥料として非常に重宝されていました。
しかし現代ではその茅の引取り手もいないため、大量に出てしまった茅を全てゴミとして処分しなければなりません。
そのため葺き替えを行うには材料費の他にも、下ろした茅の処分費も考えておかないといけないのです。

茅葺き職人が減っている

2019年時点で日本に茅葺きを行える職人は200人を下回っています。

全国を探せば九州や信州、関東などに請け負ってくれる業者はありますが、
しっかり下調べをしないと簡単に葺き替えを行うことはできないかもしれません。

現代の生活様式では葺き替え周期が短い

茅葺き屋根が普及していた頃は家に囲炉裏があり毎日火が入れられていました。

この囲炉裏から出る熱や煙が、茅の水分を飛ばしたり燻すことによって抗菌効果や害虫を寄せつけず、
茅葺き屋根の寿命を20年~30年と長期化させていたのです。

しかし現代ではそのような生活様式ではないため、
新しく葺き替えを行っても5年ほど経過してくると部分的茅が痛み、差し茅で修繕を行う必要が出てきます。

そして15年程でまた全て葺き替えを行う必要が出てきてしまうのです。

茅葺屋根の葺き替えにかかる費用

おおよその費用の目安としては200坪程度の屋根を全て葺き替えると1500~2000万円ほどの金額になってしまいます。
そのため一般家庭で茅葺き屋根を維持するはとても大変だということがわかります。

茅葺き屋根は手入れの楽な金属屋根にリフォームする3つのメリット

ここまでは茅葺き屋根の関する内容を解説してきましたが、
次はそんな茅葺き屋根を金属屋根にリフォームするメリットを3つご紹介いたします。

工事費用を抑えることができる

金属屋根にリフォームする際は、カバー工法と呼ばれる既存の茅葺き屋根の上から新たな屋根材でカバーする方法がおすすめです。

茅葺き屋根の撤去費用がかからないため、全て金属屋根に葺き替える工事よりも安価に抑えることが可能です。
屋根材としてはガルバリウム鋼板などが軽くておすすめです。

先ほど例にあげた200坪程度の屋根であれば、工事の規模にもよりますが屋根木の工事などを含めても800万円程度まで抑えることができるでしょう。

屋根の総葺き替えと比較すると半額の費用ぐらいでリフォームできるのです。

既存の茅を残すことで空調効果と断熱効果が得られる

おすすめしたカバー工法を取り入れるメリットは他にもあります。

それは茅と既存の屋根材との間に通気の空間を設けることで、吸湿と放湿を行う空調効果を得られるのです。
さらに茅の優れた特性である断熱効果もそのまま残すことができるので嬉しいですね。

メンテナンスが楽になる

金属屋根にした際は最低5年に1度は不具合がないか業者点検を行い、最低10年に1度は塗装する頻度のメンテナンスになります。
茅葺き屋根のメンテナンスに比べると遥かに楽になりますね。

もし金属屋根にリフォームした後で雨漏りに関して心配なときは、雨漏りに関して知識が豊富なプロの業者に相談するようにしましょう。
プロの視点だからこそわかる屋根の状態やメンテナンスについてのアドバイスなどを提案することができます。

雨漏り匠ナビでは、雨漏りに関するお悩みを無料で受け付けています。お気軽にご相談ください。

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