日本では、初夏から秋にかけて毎年台風が発生します。ここ数年は年々台風が巨大化し、被害が甚大になっているのは、多くの人の記憶にも新しいのではないでしょうか。
大きな台風が近づいていたとき、何を準備すればいいかわからずに不安を感じる方もいるでしょう。そのため、ここでは台風の接近中にすべきことや注意点を紹介していきます。
今回のコラムでは、台風接近時の対策を広くお伝えするとともに、過去に関西地方で発生した台風の被害についてもご紹介していきます。
沖縄や九州ほどではありませんが、関西も台風はよく接近します。特に、紀伊半島から上陸するパターンも多くなっています。いざというときに慌てずに済むように、事前にしっかりと確認していきましょう。
こんな方におすすめ
- 台風接近時に何をしたらいいか知りたい方
- 台風の避難について確認したい方
- 関西地方の台風情報について知りたい方
台風上陸に備えてやっておくべきこと
巨大な台風が接近!そのニュースを聞いたとき、まずやってほしいのが以下の5つです。
- 自宅や周辺の掃除&点検
- ハザードマップの確認
- 家屋の補強
- 避難経路と避難場所の確認
- 避難袋などの準備
ここからは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
自宅や周辺の掃除&点検
台風によって引き起こされた大雨で床上浸水などの水害が起こらないようにするために、側溝や排水溝などはこまめに掃除し、水がきちんと流れるようにしておきましょう。
意外と見落としがちですが、雨樋にもゴミや泥が詰まっている場合があります。雨樋に不具合があると、雨漏りの原因となるので、普段からきれいにしておくことも大切です。
また、強風で吹き飛ばされそうなものは家の中へ入れたり、紐でくくりつけたりしておきます。
築年数が古い家であれば、屋根の点検もおすすめです。不安になるところは台風接近前に補強するなどで、対応しておいて下さい。
屋根の点検やメンテナンスは、プロの業者にお願いすることをおすすめします。
ハザードマップの確認
自治体には自然災害による被害範囲を予測したハザードマップがあります。役所のホームページや窓口で確認できますので、自宅や学校、職場などの土地の危険度は確認しておきましょう。
ハザードマップ上、自宅には洪水被害の恐れがあることがわかれば、大雨になる前に避難しておくことも検討してください。
家屋の補強
台風が接近すれば、雨や風がどんどん強くなっていきます。本格的な暴風雨になる前に家屋の補強をしておきましょう。
雨戸やシャッターがあれば早めに閉めておきましょう。雨戸がない場合は、窓には養生テープを貼ったり飛散防止シートを貼ったりしてください。ダンボールを窓ガラスに貼ることも有効です。
避難経路と避難場所の確認
災害が発生し避難すべき状況になったとき、どこにいけばいいのかわからないということがないようにしましょう。
発生時に家にいるとは限りませんので、学校や職場からの避難経路や場所も確認が必要です。
万が一のときにどのようにして連絡を取り合うかも、家族で決めておきます。
スマートフォンのアプリなど、役立つものを予め一緒にインストールしておき、使い方を確認してくださいね。
避難袋の準備や備蓄
いざ避難しよう!というときには、鞄にモノを詰め込んでいる暇はありません。台風が接近している、とわかった時点で用意しておきましょう。
以下が最低限の非常用品です。
- 懐中電灯
- タオル(1人数枚ずつ)
- レインコート
- ライターやマッチ
- 医薬品(常備薬やバンドエイド、消毒液など)
- スマートフォンのバッテリー・携帯ラジオ
- 小銭中心のお金など貴重品
- 水(1人あたり3リットル程度)
- 非常用食料(約7日分)
- 2日分の着替え
また、停電になったときのために卓上ガスコンロやガスボンベ、飲料水、生活用水などは普段から用意しておきます。飲料水は1人につき3リットルが目安、生活用水はとりあえず当日の断水前に浴槽に水をはるだけでも良いですので、準備しておきましょう。
台風接近中に近づいてはいけない場所
毎年多くの方が亡くなってしまう原因に、暴風雨の最中に以下の場所に近づいてしまうからということがあります。
- 用水路
- 海岸
- 河川
- 山や崖の付近
どれだけ水が多くなっているか、非日常ゆえのワクワクや不安から見にいってしまう人がいますが、あふれ出した水に足を取られて落ちてしまい、流されてしまう危険性があります。
また、暴風雨で屋根が飛ばされそうとか自転車が飛んでしまいそうと思っても、風が強いときには屋外へ出てはいけません。風にあおられて転倒する可能性が高いです。
自宅周辺に被害が出ていないか心配になりますが、大切なのは自分の身の安全を守ることです。台風が通過して、安全な状況になってから屋外に出るように気をつけましょう。
関西の過去の台風被害
では最後に、関西で起きた過去の台風被害について紹介します。今までは危険な目にあったことがないからと油断せず、平常時にしっかりと備えをしてくださいね。
2004年 台風23号
期間降水量が近畿北部で300mmを超え、兵庫県や京都府の河川が氾濫して浸水被害が起きています。四国や岡山でも大規模な土砂災害が発生し、全国での死者は95人負傷者721人と甚大な被害をもたらしました。
2009年 台風9号
上陸はしませんでしたが、西日本では影響を受けて大雨が発生、雨による死者を出しています。さらに岡山県から兵庫県までの広い範囲で浸水被害が6700棟を超えるなど、浸水・土砂災害が多発しました。
2018年 台風21号
台風が上陸することはあまりない大阪で、歴史的に大きな被害を起こした台風です。猛烈な風と雨により関西国際空港の滑走路が浸水し、鉄道の運休、断水・停電・電話の不通などライフラインへ甚大な被害を与えました。
マンションの駐輪場や自動車が木の葉のように空を舞ったり、電信柱が全機強風になぎ倒され道路を分断したりする映像が、繰り返し流されました。この台風では建物の全壊・半壊・一部損壊全てを含め、5万棟を超える被害が出ています。
まとめ
2018年からは発生する台風のほとんどが、「50年に1度」とか「100年に1度」といわれるほどに巨大なものです。しかも、年によっては連続で発生して上陸することから、復旧作業が追い付かないのが現状となっています。
大きな台風が上陸すると、どんなに対策をしていても被害に見舞われることがあるかもしれません。しかし、事前に対策をして、個々の安全を守ることで、被害を最小限に食い止めることはできるでしょう。
初夏あたりから家屋の点検を始め、避難袋や非常用品の備蓄を用意するなど準備をしましょう。命を守るため、今できることから対策を取り入れてくださいね。