日常生活の中では邪魔に感じることの多い雨ですが、一方では私たちの生活になくてはならない「水」を供給してくれる重要な天候でもあります。
雨水を直接飲むことは、体にとって有害か無害か、ご存知ですか?
結論から言うと、雨水は「直接飲んでも大丈夫」なんです!
もちろん、実際に飲むとなると自己責任ではありますが……。
ここでは、雨水の意外な活用法をいくつかご紹介いたします。
日本では清潔な飲料水がいつでも手に入ります。ただ、いつ何が起こって状況が変わってしまうかは誰にもわかりません。
知識や雑学として覚えておくと、いつか役に立つ日がくるかもしれませんね。
雨水は飲める!?雨水の成分を紹介
雨水を直接飲むことは可能です。
ただし、健康被害の出ない安全な水として飲むにはいくつか条件があります。
降り始めの雨水は汚いが、30分後くらいの雨水はきれいになる
雨水を集めるタイミングは「本降りになってから」です。
降り始めの雨は、大気中の汚れを吸着しているため水質が悪いです。
30分ほど経つと、雨によって空気が浄化され、汚れのないきれいな雨水になります。
本降りになってからの雨でないと、そのまま飲むのは難しそうです。
煮沸して飲めば有害ではない、ただし保存は難しい
食品衛生法や水道法により、水道から提供される水は何個もの安全基準をクリアしています。
しかし、個人で清潔な水を飲む分には特に罰則はありません。よって、雨水を飲むということ自体は法律的にも特に問題はありません。
本降りになってからの雨水はミネラル等の不純物をほとんど含まず、水質としては「軟水」になります。
清潔な雨水であれば、煮沸して飲んでも差し支えないでしょう。
雨水は水の味を構成する成分であるミネラルを含まないため、そのまま飲んでもあまりおいしさを感じません。
紅茶やコーヒーを出すための水として使うと、雑味がなくおいしく飲むことができます。
雨水には水道水と違い殺菌剤が含まれていないので、すぐに使い切らないと菌類が繁殖し、汚染された状態になります。
そのため、雨水をため込んで飲料水として保存するのは難しそうです。
世界では雨水を水源として実際に飲んでいる国もある
海外の事例にはなりますが、実際に雨水を保存し、飲料水として用いている国も存在します。
主に発展途上国に多く、水源が乏しく日常的に水を使用できる環境にない人々にとっては、まさに「恵みの雨」というわけです。
日本の環境は排気の関係もあるので自己責任 ろ過ツール等を利用する方が安全
日本国内では、安全基準をクリアした水道水、また、ミネラルウォーターが比較的簡単に手に入ります。
個人で雨水を確保する必要もないため、基本的にはそのまま雨水を飲むことはリスクにしかなりません。
もちろん飲むこと自体は問題ないのですが、衛生面や安全性を検査していない以上、飲んだことで身体に何が起こっても自己責任です。
条件によっては、空気中の汚染物質を溶かしこんだ雨を採取してしまうリスクがあります。
非常時以外は飲料水としては飲まないようにしましょう。
非常時でも、「非常用ろ過ツール」などを用いて、なるべく生のままでは飲まないようにしたいですね。
飲用以外にも……雨水の活用法5選
雨水は、飲む以外の方法でも様々な方法で活用できます。
ここでは、日常生活の中で使われている雨水の事例を5つまとめました。
洗濯の「洗い」に
雨水は、洗濯の洗い用の水源として非常に優れています。
ミネラルをほとんど含まない軟水のため、洗剤の泡立ちが良く、少量の水でもしっかりと洗えます。
すすぎはきれいな水で行う必要があるため、水道水を使用しましょう。
ガーデニング・作物用
植物や作物を育てるための水源として、雨水を活用している農家、自治体もあります。
水不足や干ばつへの備えとして、大変有効な水資源です。
トイレ排水用
雨水はトイレの排水にも使用できます。
日常的に使うとなると計画的に水を使うことになるためあまり現実的ではないですが、ため込んだ雨水の活用法としては、ある程度の節水効果はありそうです。
公園や屋根の散水
公園や屋根の放熱を目的として、スプリンクラーなどでまかれる水に雨水を用いる例もあります。
夏場の散水は冷感効果が高く、屋外の散水をすることで人間の体感温度を最大でマイナス2度ほど下げることが可能です。
エコ観点から見ても、有効な雨水の使い方ですね。
補助水源
災害時などに使う補助用の水源です。
飲料水は各家庭に支給があることが多いのですが、生活用水までは支給されないことがほとんどです。
その場合、貴重な飲料水を洗い物やトイレの排水に使わなくてはいけません。
雨水を非常時の補助水源としてためておくことで、災害時の水資産を無駄にせずに活用できます。
まとめ
雨水を飲むことは可能ではありますが、飲料水として使用するのは自己責任です。
日本国内で水を飲むならば、水道水や市販の水などの殺菌消毒された安全な水を飲みましょう。
飲む以外に雨水を使っている例はたくさんあるので、雨が降っている日は思い出してみてください。
雨水がどこかで役に立っていると思うと、すこしだけ雨の日の憂鬱な気分も晴れる気がしますね。