自然災害などによって被害を受けた場合、その被害を受けた個人や法人が、どのくらいの被害の程度だったかを証明するために発行される書類を罹災証明書(りらいしょうめいしょ)と言います。
耳にしたことがある方は少ないかもしれませんが、自然災害の被害に対する保険金や補助金などの請求時に必要とされるものです。罹災証明書には、被害の種類や程度、被害が発生した日時や場所などが記載されます。自然災害などで住宅が被害を受け、損壊が出た場合は早急にお住まいの市町村に相談する必要があります。
罹災証明書の発行期限は、自然災害の発生日から6ヶ月となっているため、早めに申請することをオススメ致します。
罹災証明書が発行されるのは、国やそれぞれの都道府県が指定した災害である必要があります。
また、自治体によっても異なる場合もあるため、確認が必要です。
一般的には、災害対策基本法第2条第1項に定める災害が指定されており、豪雨、豪雪、洪水、暴風、竜巻、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りやその他の異常な自然現象、大規模な火事や爆発などが対象となります。全ての自治体とは言いきれませんが、だいたいの自治体では、火災であれば消防署、火災以外の災害の場合は役場で罹災証明書が主に発行されます。
罹災証明書は、基本的には人が住んでいる住居が被害にあった場合に発行されるものですが、自治体によっては被災者であったり、住居ではないが自営や農作業などの施設も対象となるところもあります。
住家となる建物の被害の大きさには認定基準があり、それは以下のようになります。
全壊…被害の程度が、建物全体が倒壊していて補修は困難な状態である、または損壊部分が住家全体の70%以上に達している、火災や損壊により50%以上の部分が経済的損害を負っている場合などは全壊となります。
大規模半壊…大規模な修繕が必要な状態であり、損壊部分が住家全体の50%以上から70%未満である、または火災や損壊により40%以上から50%未満の部分が経済的損害を負っている場合などは大規模半壊となります。
中規模半壊…過範囲の修繕が必要な状態であり、損壊部分が住家全体の30%以上から50%未満である、または火災や損壊により30%以上から40%未満の部分が経済的損害を負っている場合などは中規模半壊となります。
半壊…損壊しているが、修繕により元通りの住家にできる見込みがある、損壊部分が住家全体の20%以上から50%未満である、または火災や損壊により20%以上から40%未満の部分が経済的損害を負っている場合などは半壊となります。
準半壊…損壊部分が住家全体の10%以上から20%未満である、または火災や損壊により10%以上から20%未満の部分が経済的損害を負っている場合などは準半壊となります。
一部損壊…全壊や半壊まではいかないが、損壊しており修繕が必要である、損壊部分が住家全体の20%未満である、または火災や損壊により20%未満の部分が経済的損害を負っている場合などは一部損壊となります。
上記のように、令和3年3月から6区分の認定基準に改定されています。
ほかにある被害の状況
床上浸水…住家の床より上に水が浸水している状態。河川の氾濫や土砂崩れなどにより家の中に水や土砂が流れ込み、一定期間元に戻るのが困難で居住が難しい場合
床下浸水…床上浸水まではいかないが、床下は浸水している状態である場合
全焼…火災により、住家が全壊となるほどに損壊している状態である場合
半焼…火災により、住家が半壊ほどに損壊している状態である場合
罹災証明書は、自治体によっては住居以外の被災者も対象であるところがあると言いましたが、人的被害には被災者の状態によって、軽傷・重症・行方不明・死者などとわけられ、それぞれに基準があります。
軽傷…負傷した原因が災害であり、1ヶ月未満で回復する見込みがある場合
重傷…負傷した原因が災害であり、回復まで1ヶ月以上の期間が必要である場合
行方不明…災害によって所在がわからなくなっており、災害に巻き込まれたと認められる人、また死亡の可能性がある場合
死者…災害によって死亡し、死体の確認を行った場合。また、安否確認ができず死体の確認は不可能であるが、状況からみて死亡したと認められる場合
罹災証明書の発行について
台風や豪雨、地震などの自然災害による被害は、どんな時に起こるかわかりません。住居が被害にあった場合は、支援や保険金の請求などには罹災証明書が必要となります。罹災証明書の発行には、地方自治体の職員が現地調査をし、被害の状況から被害程度を区分し、証明書の発行に入ります。火災保険では、火事によっての被害で発行する場合は消防署となりますが、台風や豪雨などの自然災害で被害を受け、雨漏りや破損などで申請を行う場合は地方自治体となります。
申請に必要なもの
身分証明書は必ず持参してください。(顔写真付きの物は1点、それ以外の物は2点必要となっています)
被害の状況がわかる写真が必要になることもあり、その際は調査員が現場を調査することがあります。
申請から交付までには、日数を要することがあるため早めに申請を行いましょう。