雨をしのいでくれる屋根は、住まいの大切な構造です。雨漏りは暮しを不快にするだけでなく、建物の構造自体を腐らせてしまう原因になります。屋根の葺き替えも定期的に行わなければなりませんが、基本的には雨漏りがしなければ葺き替えの必要はありません。
しかし、カラーベストなどの化粧スレート材は厚みが5ミリ程度なので20年ぐらいで寿命が来てしまいます。
10年を経過するとだんだんと汚れが目立つようになり、屋根の塗り替えは出来ないものかとリフォームを考えるようになってきます。
●スレート屋根のメンテナンス
●スレート屋根の塗装が雨漏りを招く?
●ガルバニウム葺き替えで雨漏りを解決する
●まとめ
スレート屋根のメンテナンス
スレート屋根は10年経過後頃より遠目に見ても汚れが目立って、家全体が古ぼけた感じに見えてしまいます。お隣の2階からは間近に屋根の傷みを見られていることになります。
当初の壁面の塗装具合にもよりますが、築後10年ぐらいになると、壁面にも塗装の劣化が見られるようになることから、一緒にスレート屋根の塗装もしようと考える方は多くいます。
スレート屋根は塗り替えたからといって、劇的に寿命が長くなることはありませんが、塗装することできれいにする価値はあります。
塗装で屋根の葺き替えを大幅に遅らせることはできないので、メンテナンスの価値も高くなりません。かえってメンテナンスのコストは、上がってしまうことになるのです。
スレート屋根の塗装が雨漏りを招く?
古ぼけて見えるようになったスレート屋根を、10年ぐらいで葺き替えする人はめったにいません。まずは、塗装できれいにしたいと業者に塗り替えを依頼する方法を取ります。
しかし、スレート屋根の塗装は雨漏りを招く恐れがあるので、その危険性を承知しておかなければなりません。
なぜ、スレート屋根の塗装は雨漏りがおこるのでしょうか。
スレート板を少しずつずらして重ねて、釘で打ち止められているのですが、重なっている部分は1枚1枚うまく雨水が切れるように、少しの隙間ができています。
隙間が広いと雨水が入り込み、少なすぎると毛細管現象が起こってやはり雨水が吸い上げられてしまいます。雨漏りの原因です。
屋根の塗り替えをするとき、隙間に塗料が入って空間をつぶしたり、狭くしたりするので雨漏りの危険性が高まるのです。
1回目の塗装よりも2回目の方が、雨漏りはしやすくなるので充分な注意が必要になります。
ガルバニウム葺き替えで雨漏りを解決する
スレート屋根の塗装をしてから、雨が降ってしばらくすると雨漏りが起こるようになったという方は少なくありません。何度直しても同じことを繰り返すと、屋根の内側まで傷んできますから、治らない雨漏りの対策は、屋根の葺き替えということになってきます。
スレート屋根の葺き替えをする場合、新たなスレート板を使用しての修繕と思ってしまいますが、何度も繰り返している雨漏りを完全に止めるとなると、スレート屋根では無理が生じてきます。雨の抜けが良くない場合は、屋根材の再考も必要です。
「ガルバニウム鋼板」による「瓦棒葺き」がおすすめになります。
ガルバニウムはアルミニウムと亜鉛の合金でメッキされているので、トタンの何倍もの耐久性があります。
そのガルバニウム鋼板を折り曲げて、縦方向に棒状の木材を設置し、上から蓋をするような形で葺き替えします。
釘を一切使わないこの方法は、雨漏りの原因になりません。
緩やかな勾配屋根も、塗装してからの雨漏りを繰り返す原因となるので、屋根の形状も視野に入れて考える必要があります。
雨漏りで屋根の葺き替えを検討している場合は、熟練した技術が必要なガルバニウム葺き替えを、信頼できる屋根職人さんに頼んでみることをおすすめします。
まとめ
古くなってしまったスレート屋根の塗り替えは、外壁と一緒に塗装することで家全体が綺麗に明るく蘇ります。しかし、その塗装がきっかけとなって、考えてもいなかった雨漏りを引き寄せることになるとは思いもしません。修繕しても繰り返す雨漏りに疲れてしまいます。
屋根の葺き替え工事は簡単に依頼できるものではありませんから、どんな屋根材が適しているのか、現状をよく調べてもらって、納得のいく葺き替え工事をしたいものですね。