雲は大気の状態によって様々な形状を見せ、あるときは天気急変の予兆を教えてくれます。
今日は晴れなのか、雨なのか、ふと空を見上げたときにいつもと様子が違う雲を発見したことはありませんか?
普段と違う雲が空に広がっていると不安になることがありますよね。
そこで今回は、数ある雲の中でも代表的な天気の変化の予兆を示す雲、珍しい雲をご紹介します。
この記事を読めば、不思議な雲を見たとき危険を予想できるようになれますよ。
【要注意】天気が急変するときの珍しい雲
まず天気が急変する予兆を教えてくれる珍しい雲をご紹介します。
乳房雲
乳房雲の特徴は、雲の底がモコモコしているコブのような形をしていることです。
乳房雲は嵐の前触れで、大雨や雷、雹、竜巻などが起きる可能性があり、注意が必要です。
アメリカでは乳房雲はトルネードの前兆として恐れられています。
乳房雲は積乱雲の底にできることが多く、1年を通して出現する可能性がありますが、夏に発生が報告されることが多いです。
スーパーセル
スーパーセルは雲の幅が最大約100km、高さ約15kmにも及ぶことのある超巨大な積乱雲の塊です。
スーパーセルが出現したときは大量の雹や時速150kmの暴風、数千数万の落雷、激しい集中豪雨、強力な竜巻などが発生します。
アメリカでの出現回数が多いですが、2017年8月には日本の愛知県でも発生して大きな被害が出ました。
ゲリラ豪雨の原因の一つとされており、積乱雲が発生しやすい夏の夕方に出現しやすいです。
漏斗雲
漏斗雲は積乱雲や積雲などの底から垂れ下がるようにできる細長い形状の雲です。
竜巻に伴って発生しますが、湿度が高いことが発生条件として重要なので、漏斗雲の形状の明瞭さは竜巻の勢力の強さに比例するわけではありません。
竜巻は豪雨の最中に起こることが多く、夜間に発生する場合もあるため、漏斗雲が見られることは多くはありません。
一年中を通して出現する雲です。
天気が急変するときの安全対策
乳房雲、スーパーセル、漏斗雲のような積乱雲は竜巻を伴う暴風や豪雨と共に出現します。
それでは天気が急変するとき、どのような安全対策をとればいいのかお伝えします。
基本的には、可能であれば頑丈な建物の中に避難してください。
ゲリラ豪雨の場合は、高さのある場所に避難しましょう。
雨量によっては道路が冠水したり、地下へ水が流れ込んだりする危険性があります。
屋内でも、地下には雨水が流れ込んでくるリスクがあるので、浸水被害を避けるために2階以上に避難するのがベターです。
できるだけ早く、室内の高さのある場所へ移動しましょう。
続いて竜巻や暴風の危険が起きた時の対策方法です。
屋外にいる場合は頑丈な建物などに避難し、窓ガラスから離れた場所に移動しましょう。
可能であれば、一階の丈夫な机の下などで身を小さくして頭を守った体勢をとります。
屋外にいると、暴風にあおられて転倒する可能性、飛ばされてきたものがぶつかって大怪我をする危険があります。
速やかに屋内に入って、窓際から離れてください。
天気が急変すると、窓の外が気になったり、動画を撮ったりしたくなりますが、窓ガラスが割れるおそれがあるので近づかない方がより安全です。
日本でも見られる珍しい雲
ここまでは天気急変の予兆を示す雲についてお伝えしました。
雲は天気予想にももちろん役立つのですが、晴れの日は見ているだけでも心が和みますよね。
そこで日本で見られる珍しい雲を少しご紹介しようと思います。
笠雲(傘雲)
笠雲は山頂付近に現れる笠か帽子をかぶせたような形状の雲です。
富士山のような孤立峰でよく発生します。
山頂にかぶさる大きな雲と山の景色は非常に美しいです。
雲海
雲海は山間部などに現れる雲で、雲の海のように広がっていることから名付けられています。
標高の高い山頂や飛行機などから条件が揃うと見ることができる雲で秋や春の明け方によく見ることができます。
日本全国で見ることができるので人生で一度は見て撮りたい非常に美しい現象です。
滝雲
滝雲は、山頂を超えて山の麓に向かって雲が滝のように流れ落ちていくことから名付けられています。
日本で見られる場所は新潟の枝折峠が有名です。
見るためには、「雲海」「雲が流れるくらいの風」「大気の安定」の3つの条件が必要で、非常に珍しい雲です。
珍しい雲は世界中にたくさんある!
最後に、日本ではほとんど見られないのですが、世界で見られる珍しい雲をご紹介します。
真珠母雲
真珠母雲は冬の北極や南極といった高緯度地域で見ることができます。
色彩が真珠母貝(アコヤガイ)の内側に似ていることから名付けられました。
オゾン層のある高さ20〜30kmと非常に高い位置にある雲で、オゾン層の破壊に深く関係していると考えられています。
虹のように光の屈折で色が変わっているわけではなく、空気中の成分が異なるために色がついているようです。
夜行雲
夜光雲は高さ80km付近と非常に高い位置に現れる雲です。
日が昇る前か沈んだ後でも太陽に照らされて夜でも光って見えます。
夏の南半球か北半球の高緯度地域でよく見ることができる現象で、一応日本でも2015年6月に初めて北海道で観測されました。
まとめ
様々な雲があることを知っていただけたかと思います。
天気を教えてくれる雲もあれば、非常に神秘的で美しい雲もあります。
もしも危険な予兆を教えてくれる雲を見つけたら、十分に警戒してください。