家の建築や屋根のリフォームを検討する際に良く聞く「スレート屋根」がどのようなものかご存知でしょうか。
スレート屋根はおしゃれで軽いことから住宅でもよく採用されている屋根材です。
今回のコラムでは、スレート屋根の特徴やメンテナンス方法などについてご紹介します。
気になる雨漏りのリスクについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
スレート屋根のメリット・デメリットを紹介
以前は瓦屋根を多く見かけていましたが、今では平坦な見た目のスレート屋根が増えてきています。
スレートとは、粘土板岩が原料に使われ、薄い板状に形成加工されている屋根材です。
スレートの種類
- 天然石を使った天然スレート
- セメントと繊維を混ぜたセメント系スレート(化粧スレート)
- 石綿(アスベスト)が含まれていない無石綿スレート
天然スレートは高価なため、あまり流通していません。
また、以前は石綿スレートという種類がありましたが、アスベストが含まれているという理由から、現在は石綿スレートの製造は行われていません。
コロニアルやカラーベストという屋根材は、セメント系スレートに当てはまります。
メリット
- 軽量で建物への負荷が少ない
- おしゃれでデザイン性が高い
- 比較的安く施工できる
- 施工できる業者が多い
デメリット
- 苔やカビが生えやすい
- 耐久性が低い(割れやすい)
- 定期的に塗装によるメンテナンスが必要
スレート屋根以外だと、ガルバリウム鋼板という金属製の屋根材も普及しています。
ガルバリウム鋼板と比較をしてみると、金属屋根は錆びやすいといった心配がありますが、スレート屋根は錆びにくく、塩害の心配が少ないと言えるでしょう。
スレート屋根はガルバリウム鋼板より強度があるので比較的へこみにくいという特徴もあります。
また、軽さもあり耐震性にも優れているといったメリットがあります。カラーデザインが多いため、建物のデザインに合わせた色合いの屋根を選びやすいでしょう。
薄さを生かして裁断しやすいという特徴もありますので、様々な形の屋根にも対応できます。
スレート屋根の耐用年数とメンテナンスの目安
一般的にスレート屋根の耐用年数は15年〜20年程度とされています。
長持ちさせるためにも、施工後は10年ごとに定期的な塗装のメンテナンスをするのがおすすめです。
屋根塗装の費用の目安としては塗料の種類と面積により違いが出てきます。
1㎡あたりの単価の目安をまとめました。
アクリル系塗料 | 1,200円〜1,600円 |
ウレタン系塗料 | 1,500円〜2,000円 |
シリコン系塗料 | 1,800円〜2,500円 |
フッ素系塗料 | 3,500円〜4,500円 |
この他にも、断熱塗料や遮熱塗料のように機能的に効果が得られるタイプの塗料もあります。
詳しい費用は屋根の面積や塗料の種類によっても異なるので、見積りで確認してみてくださいね。
スレート屋根をリフォームするには
スレート屋根の耐用年数を迎えた場合は、「カバー工法」か「葺き替え」のリフォームをするのがおすすめです。
カバー工法
カバー工法とは、既存のスレート屋根の上から新たな屋根材でカバーする方法です。スレート屋根のカバー工法では、軽量なことからガルバリウム鋼板を採用することも多くなっています。
カバー工法の費用は、80万円~180万円ほどです。
既存の屋根材の撤去費用がかからないため、葺き替え工事よりも安価になることが多いようです。
葺き替え
葺き替え工事は、劣化したスレートを撤去し、新たな屋根材に交換する方法です。屋根の下地に劣化が見つかった場合は下地ごと交換することもできます。
葺き替え工事の100万円~250万円ほどで、カバー工法よりも高額になる傾向です。
ここで紹介した屋根の工事費用は使用する屋根材や、面積によっても異なります。詳しい金額が知りたいという方は、業者に見積りしてもらうことをお勧めします。
スレート屋根はひび割れに注意!雨漏りのリスクは?
安くて軽く、希望のカラーを設置しやすいといったメリットの多いスレート屋根にもデメリットがあります。
スレート屋根は耐久性が低く、苔やカビが生えやすいという一面があるので、定期的に塗装を行い、屋根材の劣化を防がなければなりません。
また、スレート屋根は割れやすいため、雨漏りが発生してしまうことがあるのです。
雨漏りは建物にダメージを及ぼす大きな原因の1つです。
雨が降った後に天井にシミのような跡ができているようであれば、すでに雨漏りが進んでいるかもしれません。
雨漏りを放置しているうちに、建物にどんどんダメージが蓄積していることもあるので早めに点検しましょう。
雨漏りを放置をしていると、家を支えている大切な柱や壁などが傷んでしまうおそれがあります。
また、じめじめした木材を好むシロアリがやってきて柱を食い荒らしてしまうかもしれません。
ほかにも、カビが生えてしまい、家族に健康被害が出たというケースもあります。
すでに雨漏りを見つけた時点で他の箇所にも雨が侵入している事例が多いです。
雨漏りを見つけた時は、早めに業者に連絡して点検してもらうことをおすすめします。
転落の危険があるので、自力で無理に屋根に登らないようにしてくださいね。
まとめ 定期的なメンテナンスで家を守りましょう
スレート屋根の設置は費用も安く、災害時の耐震性にも優れています。
良い状態を維持させるためにも塗装のメンテナンスを10年ぐらいの周期で行うようにしてください。
また、スレート屋根の寿命が近づいてきたら、カバー工法や葺き替えなども検討してみてくださいね。