「大雨が降った時、ふと気づいたらベランダの窓から雨漏りしていた」
そんな経験はありませんか?
窓からの雨漏りの多くは、サッシ部分からの浸水です。
目で見ただけでは雨漏りの原因が分からず、対策も取らないまま放置してしまった人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな方へ向けて、ベランダサッシから雨漏りが発生する原因と対策について、プロの目線で解説していきます。
ベランダサッシから雨漏りする原因5選
ベランダサッシからの雨漏りには、どのような原因が考えられるのでしょうか。
代表的な原因5つを以下にまとめます。
サッシ周りのコーキングの劣化
窓のサッシ周りは、コーキングというボンドのような素材で隙間を埋めてあります。
お風呂場などの水回りで隙間を埋めてある弾力のある素材なので、見たことのある人も多いのではないでしょうか。
このコーキングが劣化し、ひび割れ等が生じてしまうと、隙間から水が入りやすくなります。
そのため、雨漏りが発生しやすくなるといえるでしょう。
コーキングはホームセンターなどでも手に入るので、DIYで補修をすることも可能です。
コーキングの補修だけであれば、1万円〜3万円程度で施工できます。
防水紙、水切り金具などの雨仕舞いの劣化
雨仕舞い(あまじまい)とは、屋根や外壁、サッシなどから雨水が浸入しないように処置を施すことです。
建物の雨漏りを考えるとき、雨仕舞いがしっかり施されているかどうかは重要なポイントです。
ベランダの雨仕舞いの一例として、防水紙、水切り金具の設置があります。
通常はベランダの出入り口となっている部分に水切り金具が取り付けられ、その下に防水紙が設置されていますが、これらが劣化することで雨水が侵入しやすくなります。
ゴムパッキンの劣化
窓ガラスの周囲や、窓枠に付いているゴムパッキンが経年劣化すると隙間ができてしまいます。
ゴムパッキンのズレやへたりを放置すると、隙間から水が入ってくるリスクが高くなるので要注意です。
ゴムパッキンは傷みやすいため、定期的に交換するなどメンテナンスを忘れないようにしましょう。
引き戸、レールに隙間がある
窓を頻繁に開閉したり、使い方が荒かったりすると、窓の引き戸やレールが徐々に摩耗し、隙間ができてしまう場合があります。
ベランダに出入りする掃き出し窓は開閉する回数も増えるので、引き戸やレールにゆがみがないかチェックしてみてください。
コーキング、ゴムパッキンの例と同様に、隙間ができると雨が室内に入り込みやすくなるので、磨耗しやすいパーツは定期的に取り替えることも大切です。
ベランダの排水溝が詰まる
ベランダの排水溝が詰まってしまうと、大雨が降った時などにベランダが水浸しになり、行き場をなくした水が窓の下部から侵入する場合があります。
排水溝は雨水を逃すために重要な役割を果たしているので、詰まりをなくしてスムーズに排水できるようにしておきましょう。
自分でできるベランダサッシの雨漏り対策
実際に雨漏りが起こってしまった際、応急的な処置として自分でできる雨漏り対策を紹介します。
吸水シートを敷く
ホームセンター等で売っている吸水シートを雨漏り箇所付近に敷いておけば、室内に侵入した水を吸ってくれます。
タオルやぞうきんで拭くよりも吸水性が高く、効果的な対応といえます。
防水テープを貼る
サッシ周りに防水テープを貼ることにより、雨水の侵入を防げます。
台風や大雨の前などに対策として行った人も多くいることでしょう。
コーキングの打ち直しを実施する
コーキングの劣化が雨漏りの原因と分かっていれば、該当箇所のコーキングを打ち直すことで雨漏りを解決できる場合があります。
コーキングの打ち直しは、材料と資機材があれば短時間でできます。
ただし、技術を伴う作業ですので、DIYではなく、プロの業者に依頼するようにしましょう。
範囲にもよりますが、コーキング補修は数万円程度で施工できる場合が多いです。
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排水溝の掃除を行う
ベランダの排水溝を定期的に掃除して、綺麗な状態を保っておけば、大雨が降っても水が溢れるようなことはありません。
目安として、1週間に1回程度の排水溝の掃除を心掛けましょう。
以上が自分でできる雨漏り対策となりますが、やり方を誤れば却って悪化させてしまう可能性もあります。
また、吸水シートや防水テープを使った方法は、あくまでも応急処置ですので、根本的な改善にはなりません。
ベランダサッシからの雨漏りを解決するには、やはりプロに依頼することが望ましいです。
ベランダのサッシの雨漏り修理をプロに依頼すべき理由
雨漏りの原因は突き止めることが難しく、また複数の原因が重なったことにより発生している場合もあるため、プロへの依頼をおすすめします。
自己流の処置は状況悪化を招く可能性がある
仮に目に見える隙間がありその部分を止水したとしても、他の部分で雨漏りが進行してしまう恐れがあります。
建物全体がしっかりと防水されていれば問題ありませんが、一部を止水してしまったために却って水の逃げ場がなくなり、外壁や他の窓サッシなどに水が進行し、別の部分から水が漏れ始めるという場合もあります。
一部分だけを見て修理方法を決めるのでなく、全体の状況を把握する必要がありますので、プロの目線でないと判断は難しいです。
放置していると二次被害の恐れあり
雨漏りの原因が分からず放置していると、濡れた箇所が湿気を帯びるようになっていきます。
すると湿気を好むシロアリやカビなど、二次被害が発生する恐れがあります。
こういった二次被害が発生しますと、雨漏り対策のみでは改善できなくなます。
最悪の場合、窓枠の交換や床の張替えなどが必要となり、高額な工事費用が掛かってしまいます。
まとめ:わずかな雨漏りでもプロに相談するのが解決への近道
「ベランダサッシから水が漏れているだけだから」と軽く考えていると、カビやシロアリの温床になってしまうかもしれません。
また、建物内部の見えない場所で雨漏りが進行していないとは言い切れないものです。
雨漏りが発生した際は、プロの業者へ相談し、実際に現地を確認したうえで原因を把握し、適切な修理を施すことをおすすめします。
雨漏りはとにかく厄介な現象です。
自分の力だけで処置しようとせず、知識と技術を持った人を頼るように心掛けましょう。